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未来と異国の交差点
「ごめーん、待った?」遠くからウサギが明るく手を振りながら駆け寄ってきた。日テレ大時計の前で待っていたカメは、柔らかい笑みを浮かべながら、そっと手を振り返した。
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「僕も今来たところだから」とカメが優しく迎えると、ウサギはほっとして息を整えた。
「汐留の街では、ペデストリアンデッキに上らないとうまく動けないみたいね。少し迷ってしまったわ」とウサギは言い、未来都市のように高くそびえるビル群を見上げた。
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「今日はね、行きたい場所があるの。ちょっと異国っぽいところなんだけど」とウサギは声を弾ませた。
デッキを降りて、道路脇の日比谷神社をさりげなく通り過ぎると、その先にはまるで魔法のようにイタリアの街並みが広がっていた。
ウサギは得意げに微笑んだ。「ね、ちょっとイタリアっぽいでしょ?ここ、ドラマの撮影にも使われるんだって」
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イタリア街をぐるりと眺めたカメが誘った。「ここは海が近いんだ。カレッタ汐留の展望台から景色を見に行かない?」
「すごいね、まるで空を飛んでいるみたい」カレッタ汐留の「SKY VIEW」へ向かうエレベーターが上昇を始めると、ウサギはガラス越しに見える地上の景色に釘付けになった。
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エレベーターを降りると、ウサギは窓に走り寄り目を輝かせた。「浜離宮恩賜庭園の緑と空の青、それに挟まれた海のコントラストがお見事ね」
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「これからどこに行こうか?」
景色を眺めながらカメが口を開いた。
「お腹空かない?」
ウサギが小さな声で呟いた。カメは、「そう言うと思ってたよ。このフロアにはちゃんとレストランがあるから、大丈夫」と笑った。
ウサギの顔がぱっと明るくなり、声もいつものように元気になった。「そのあとは、どこに行こうかしら…」ウサギが軽やかに歩き出すと、カメも静かにその後に続いた。
冒険はまだまだ終わらない。
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