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宇宙にいく準備はいい?

よく晴れた空の下、日本科学未来館の斬新な姿が、ウサギとカメの瞳に映り込んでいた。「科学を学ぶなんて、ずいぶん久しぶりね」と、ウサギは過去に思いを馳せた。

日本科学未来館

1階のシンボルゾーンでは、頭上高くに「ジオ・コスモス」と呼ばれる地球がゆっくりと回転していた。ウサギは目を凝らして日本列島を探し始めた。「ここにいるんだよね、私たち」と、小さな島国を指差した。

「私、宇宙飛行士になりたかったの。こんなふうに丸い地球を見てみたかったわ」と彼女はジオ・コスモスを見上げた。

回転するジオ・コスモス

「宇宙ステーションにも住んでみたかったの」彼女の声には、かつて抱いた夢への熱い思いがこもっていた。

国際宇宙ステーション(ISS)

「ロケットにも乗りたかったわ。宇宙の果てまで飛んでいきたかったの」彼女の瞳には、無限の宇宙が広がっていた。

「僕も宇宙船に乗ってみたい。難しいことは全部コンピュータがやってくれるし、船内は地球と同じ重力だから何も困らないしね」とカメが静かに言った。

H-ⅡAロケットのメインエンジン

「それは小説の話でしょ? 現実はそんなに甘くないの。宇宙飛行士になるのは簡単ではないんだから」彼女はいつになく冷静だった。

「ウサギさん、なんだか今日は現実的だね」と、カメは少し驚いた様子で言った。ウサギはその言葉に首をかしげて目を細めた。「そうかしら? いつもと変わらないと思うけど」

「ところでウサギさんはロケットに乗ったら何処に行きたいのかな?」とカメが尋ねた。

ウサギは両手をそっと胸の前で組み、静かに語り始めた。「それはもちろん、星の王子さまのところよ」

心は星の王子さまの世界へ

「そこは物語の世界になるんだね」と、カメは微笑みながら、そっとウサギを見守った。まるでその世界に一緒に行けるかのように。

ジオ・コスモスがゆっくりと回転しながら、二人を夢の宇宙へと誘っていた。ウサギはその光景に見とれながら、新たな冒険が始まる予感を感じていた。

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