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伝説のアトランティス

シアター8の灯りが再び周囲を包むと、ウサギはゆっくりとシートから立ち上がった。彼女の瞳には、スクリーンに映された《アクアマン》の壮大な海の景色がまだ残っていた。「まるでまだ海の中にいるみたい」と彼女はつぶやいた。隣の座席にいたカメもゆっくりと立ち上がり、彼女の感動を共有するかのように優しく頷いた。

映画館を出たウサギとカメは、日暮れの街を歩きながらカフェへと足を運んだ。ティーカップを口元に運びながら、ウサギは夢見るような声で「アトランティスは本当に存在するのかしら?」とカメに問いかけた。カメはしばらく思いを巡らせた後、静かに答えた。

「アトランティスはプラトンの著書に登場する伝説の島なんだ。一万年以上前に栄え、その後海の底へと沈んだとされているんだよ」 「それなら映画の中で、伝説が現実になったということかしら?」ウサギは頭の中で深海に沈んだ古代の都を思い描いた。

カメはそんな彼女を優しく見守りながら「プラトンの本を一緒に読んでみようよ。図書館の131.3番の書架にあるはずだから」とウサギに提案した。映画で芽生えた好奇心が、ウサギとカメを次の冒険に導いていく。図書館に並べられた本の中には、過去の世界への冒険が待っている。

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