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年下男子はメンタルと肌を救う。
この後すぐにRくんは自ら起きた。
そんなことは隕石が降ってくるくらい稀だと思っている私。
【スマホのバイブ音】
『やっば!また寝てたわ。』
(起きた…!驚)
「おはよう。…LINE?」
『うん。』
片目だけ辛うじて開けてLINEを返している。
『危ねー。また朝まで寝るところだった。ごめんね、仕事してた?』
「うん。そんなに寝てないから大丈夫だよ?」
話している間にもスマホが振動している。
最初は険しい顔をしていたけれど、そのうちニコニコしながら打ち始めた。
普段スマホを忘れて出かけたりする人とは思えないくらい離さない。
あぁ好きな人ね。
本当にわかりやすい。
以前Rくんが女友達とごはんに行った際、あまりに嬉しそうにスマホを触る彼を見て嫉妬した彼女からの長文(長打…?)LINEで、彼のスマホがひたすらに鳴り続けていたことがあった。
例の如く “ 仲のいい姉さん ” だと思っていた彼女からいきなりそんなLINEが来て、彼は心底困惑といった様子だった。
その時の私は、今にも壊れそうなスマホに大笑いしたのだけど。
これか。
これは長文LINEを送りつけて私から離れていかないでと言いたくもなる…と、私はいつかの彼女に感情移入した。
好きな人(多分)とLINEをする彼の嬉しそうな表情は、そうさせるには十分な気がした。
それでも彼は、彼女の感情的なLINEにひとつひとつ丁寧に向き合って返信していたように私には見えた。
言葉もキツくなく、言いたいことを聞いてあげる優しさにかえって言いやすくなったのか、次第に彼女はエスカレートして、自ら墓穴を掘るわ、彼のせいにするわ、彼が一番言われたくないであろうことに言及するわで、最終的には「うぜぇ!なんなん!めんどくせぇな!」とまで言われていた。
温厚な彼にここまで言わせるのはむしろ才能よ…と私は思った。(何の?)
まぁ彼は思ったことをハッキリ言うタイプな上にしっかり口は悪いから、通常運転だったのかもしれない。
それでも彼女の話を聞くことから逃げず、無視したり適当に謝ってその場をやり過ごしたりしない彼の真っ直ぐな性格が好きな私は、それら本音のやりとりを羨ましいとさえ思った。
“ 仲のいい姉さん ” とはいえ長い付き合いの彼女を、大切な存在だと彼の行動は十分証明していたから。
“ 一緒にがんばろう会 ” はその後無事開催されて、2時間一緒にがんばった。
Rくんは物凄く眠そうで、『…今からをもって…一人でがんばれー会にしまーす…』と言っていたけれど(笑)、深夜まで寝ずに応援してくれたり私が煮詰まると変顔をしたりして邪魔をして励ましてくれた。(笑)
終始サングラスをかけて。
『今日忘れたら人として終わりだからな!最初から掛けといちゃえばこっちのもん!』と言っていて、可笑しかった。
深夜にやっと一区切りつくと、『お疲れ様ー!えらいねー!』とまるで子供かのように褒めてくれた。
お互いに忙しい時は定期的に “ 一緒にがんばろう会 ” を開催しようということになった。
「寝ていく?」と聞いたら、『この家は一度寝たら起きれない罠だらけだから帰る!』とケラケラ笑いながら、夜なのにサングラスをかけたまま颯爽と帰っていった。
夜明けのローテンションもとてもよかったし、深夜のハイテンションもいい。
エモい表情も少年のような笑顔も両方見れて、Rくんの忘れ物癖も捨てたもんじゃない。
連日の激務・寝不足にも関わらず、メンタルも肌も調子がいいのは、きっとRくんの功績だ。
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