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アートを通したサステナブルな世界の実現!「オラファー・エリアソン」10年ぶりに日本で個展開催

新型コロナウイルスの影響で延期となっていた10年ぶりとなる大規模個展「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」に行ってきました。清澄白河の東京都現代美術館にて9月27日まで開催しているので、皆様にぜひお勧めしたいです。
本展は「エコロジー」をテーマに、自然を再構築したインスタレーションや、オラファー・エリアソンのルーツであるアイスランドの氷河の写真、近年の建築やデザインのプロジェクトまで、環境や社会に対して、アートの多面的な可能性を探求し続ける試みを紹介しています。

以下は、展覧会公式の概要。

オラファー・エリアソンは1990年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきました。本展は、エリアソンの代表作を含む、多くが国内初公開となる作品の数々で構成されています。自然現象を再構築したインスタレーション、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品等が展示されます。
エリアソンは、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影してきました。《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019年)は、過去20年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させます。また、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映されたエリアソンのインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象をしばしば用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながします。さらに、本展覧会では、最初期の代表作として、暗闇の中に虹が現れる《ビューティー》(1993年)をご紹介します。アトリウムの吹き抜け空間では、大規模なインスタレーションが本展のために制作されます。
スタジオ・オラファー・エリアソンの活動は美術作品の制作に限定されません。スタジオでは日々、実験とリサーチ、コラボレーションによって、さまざまなアイデアやプロジェクトが開発されています。本展覧会では、サステナブルな生分解性の新素材やリサイクルの技術に関する近年のリサーチの一部をご紹介します。

展示されている作品をいくつかご紹介します。

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オラファー・エリアソン《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》2019年
© 2019 Olafur Eliasson Photo: Michael Waldrep / Studio Olafur Eliasson

気候変動による20年間のアイスランドの氷河の後退を目に見える形で表現した作品。氷河が減り、河がなくなり、大きく変化しているのがわかります。


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オラファー・エリアソン《太陽の中心への探査》2017年
Installation view: PKM Gallery, Seoul, 2017 Photo: Jeon Byung Cheol, 2017
Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery,New York / Los Angeles© 2017 Olafur Eliasson

オブジェに集約された様々な光が解き放たれている空間は、時間を忘れてしまう美しさです。

彼の世界観を体感することができる大規模なインスタレーションや、作品の輸送方法にいたるまでサステナブルにこだわったエコなプロダクトなど、彼がアートを通じて訴えてくるメッセージに心を打たれるはず。


オラファー・エリアソンって何者?

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オラファー・エリアソン photo_Brigitte Lacombe, 2016 © 2016 Olafur Eliasson

オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson, 1967年 - ) は、デンマークのコペンハーゲン生まれ、アイスランドを故郷とする芸術家で95年にベルリンに Studio Olafur Eliassonを構えて活動をしています。

欧米の主要美術館において個展を多数開催する中、2003年、テート・モダン(ロンドン)のタービン・ホールで発表した《The Weather Project(ウェーザー・プロジェクト)》は、特に大きな成功を納め、同年にはヴェネツィア・ビエンナーレでデンマーク代表となり好評を収めました。

自然界におけるさまざまな要素—光、影、色、霧、風、波を作品に取り込み、鑑賞者の視覚や認識を揺り動かすことについて定評があります。パブリック・アートの代表例としては、2008年にニューヨークのウォーター・フロントに4基の人工の滝を出現させ、作品をとりまく環境との関係をダイナミックに表現しました。

また、近年は、電力の通らない地域に住む人びとに携帯式のソーラーライト「リトルサン」を届けるなど、社会的課題の解決へも目を向けています。

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Olafur Eliasson and Frederik Ottesen, Little Sun, 2012
Photograph: Merklit Mersha

展覧会では「リトルサン」以外にも、彼のラボで作られた様々な地球環境に配慮した作品が展示されているので、お楽しみに。

人気で午後は並ぶので、午前中がオススメです。

「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展覧会概要

会期:2020年6月9日(火)ー9月27日(日)
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5777-8600 
開館時間:10:00〜18:00 ※展示室入場は閉館の30分前まで 
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
観覧料:一般 1,400 円/ 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,000円/ 中高生 500円/ 小学生以下無料

※ 小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※ 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。
※『エコチル(キャリチル)』東京版2020年3月号に掲載いたしました、観覧料割引クーポンの有効期限は下記の通り変更となります。
旧有効期限:2020年6月14日
新有効期限:2020年9月27日

会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、産経新聞社
後援:駐日アイスランド大使館、デンマーク王国大使館
協賛:クヴァドラ、ブルームバーグL.P.、株式会社ジンズホールディングス
助成:スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団、公益財団法人大林財団



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