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人生の期限 Live Your Life

先日、カフェで本を読んでいると、隣の席にいた女性二人組の会話の中に「LINEの返信は終わりなき課題のよう」という、印象的な言葉を聴きました。返さなきゃいけない、でも返しても返しても終わらない。言われてみれば、たしかに自分自身もそう感じる場面が思い当たり、現代においてコミュニケーションとは「義務」のように感じられることもあるのか、と気付かされました。

ちょうどこのとき読んでいた本が、『もしも一年後、この世にいないとしたら。』と『人生でほんとうに大切なこと』という、がん患者専門の心理カウンセラーである清水研先生の著書だったこともあり、「LINE返信は終わりなき課題」発言をきっかけに、「死生観」について考えを巡らせてみました。

先のLINE発言を突き詰めると、「自分の人生を生きるとは、どういうことか」という問いに至ります。清水先生の本では、ずっと続いていくと思っていた人生に突如として「終わり」を宣言されたがん患者たちが、「生きること」とどのように向き合っていくのか、というテーマについて深堀られています。

本の中に、「死を見つめることは、どう生きるかを見つめること」という言葉があります。多くの人は、ある程度の年齢に達するか、死を意識する経験をするまでは、自分の人生は何となくずっと続いていくものという前提のもとに今日を生きているのではないかと思います。しかし、そんな前提は実際はなくて、極端に言えば現実を見ない生き方であると捉えることもできます。現実とは、誰にでもいつか訪れる「死」という旅の終着点(=人生の期限)を想像しながら、今この瞬間を生きることの尊さを味わう、ということではないでしょうか。

SNSの返信をはじめ、私たちは「やらなければならない(と自分が感じている)こと」に満たされて日々を送っています。しかし、もしも残された人生が残り「一年」だったとしたら(事実それを否定することは誰にもできません)、今「やらなければ」と思っていることを、本当にやるでしょうか。今と同じ時間の使い方を、果たしてするでしょうか。「いつかはやってみたいこと」を先延ばしにするでしょうか。

こだわりを持って生きるということは、他者や社会からその美学や成果を認めてもらうことに誠実であろうとする態度ではなく、自分自身が深く意味を感じられることに人生を懸けようとする態度なのではないかと考えます。「一年」というタイムスケールを意識しながら、シンプルでこだわりのある今日を自分のために生きていくということに、向き合ってみようと思いました。


NOTE:
今この瞬間にどのような「意味付け」をするのか、それを「現象」ではなく「解釈」によって捉えていこうとする考え方は、アドラー心理学の思想にもつながります。ベストセラーとなった『嫌われる勇気』を、この機会にもう一度読み直してみるのもよいかもしれません。

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カクテルという文化にまだまだ馴染みの薄い日本では、自宅でカクテルをつくるということもハードルの高いことのように感じられます。それでも、「いつかはやってみたいこと」として、「あのカクテルにチャレンジしてみたい」という一杯をイメージしていた方もいるのではないでしょうか。「人生の期限」について思いを巡らせながら、「カクテルの王様」と呼ばれるジン・カクテル、マティーニなんかにチャレンジしてみるのも良いかもしれません(今の時代、Youtubeで様々なカクテルの作り方を知ることができます)。

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