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プライベートの終焉 Switch of Relaxation

「シンプルでこだわりのある生き方」を本気で突き詰めていこうとするとき、向き合わなければならない大きなテーマがあります。それは、「Work-Life Balance」ならぬ「Concentration-Relaxation Balance(集中とリラックスのバランス)」をいかにとるかということ。

仕事とそうでないことが切り分けられている場合、時間という尺度によって、ある程度明確に今自分は「働きすぎかどうか」を把握することできます。しかし、このニュースレターの読者の方の多くがおそらくそうであるように(と勝手に思い込んでいますが)、生きることと働くことが溶け合っている心地よさを目指そうとすると、仕事とそうでないことの境界は曖昧なものになってきます。そうなると、ついつい「集中」の状態を続けすぎてしまい、気付いたときには心や体に大きな負担を抱えてしまっている、ということが頻繁に起きたりします。

では、どうやって集中とリラックスのバランスをとるのか、ということが大事になってきますが、そのひとつの方法としては、「リラックスの時間を確保するように意識する」ということ。言葉にしてしまうと当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、「自分が本当にリラックスしているのはどのような時間であるか」ということについて、本気で考えたことがある人はそこまで多くはないのではないでしょうか。

これまでの「オンかオフか」という考え方は、ほぼ同義として「仕事かプライベートか」という言葉に置き換えられて語られてきました。しかし、この置き換え先を「集中かリラックスか」に転換して考えてみると、例えば、親しい人と旅行に行く時間や家族と過ごす時間といった「プライベート」が、必ずしもリラックスできる時間とは言えないという矛盾が起き得ることに気付きます。親しい人との旅でも、忙しい時期にフライトや宿やお店の予約といったタスクを実行しなければならない状況ではストレスになったり、家族との時間でも、子連れでも楽しめるような休日の過ごし方を毎週考えなければならないことを重荷に感じたり、ということが実際には起きていると思います。

これまで「プライベート」というくくり方をされていた行為の中にも、リラックスできない可能性が多く潜んでいますし、逆に心から自分が実現したいアイディアをゆったりとした気持ちで考えている「仕事」の時間は、とてもリラックスしているという場面もあります。そう考えると、それが「オンであるかオフであるか」は、自分の心や体が自由であるかということも含めた、その時間に対する本人の「心持ち」が決めていると考えることができます。

日々の中のひとつひとつの行為を、少し解像度を上げて見つめながら、「集中かリラックスか」という新しい判断軸を持って選択していく。そうすることで、生きることと働くことが溶けた世界を、より気持ちよく泳いでいくことができるのではないかと思います。


NOTES:
・「Work as Life」という考え方を提唱する落合陽一氏が、今回のテーマに近しい話をしている動画がありますので、興味のある方は参照してみてください。
・『働くことの哲学』という本の中で、レジャーと仕事の違いについて語られている一節があります。「祭日」を意味する「ヴァケーション」という言葉は、「自由」ないし「義務の免除」を意味するラテン語「vacatio」に由来していて、「やらねばならない」からの解放を意味するのだと説明した上で、レジャーがレジャーでなくなってしまっている現代社会を指摘しています。そうした考え方を踏まえて著者は、「自宅で何もしない休日こそが最高なのだ」と個人的な見解を付け加えています。このように、「オフがオフになっていない」という観点では、生きると働くが溶けているかどうかに関わらず、実は現代生活の中で既に指摘されてきたことでもあります。

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自分が本当の意味でリラックスする時間を確保するためのアイディアとして、その時間をはじめるための「儀式」をつくる、というのも有効です。一流のスポーツ選手たちが自分をゾーン状態に連れていくための独自の「儀式」を持っているように、私たちも「リラクゼーションの儀式」を持ってみるのはどうでしょう。
グラスに氷を入れる。SIPSMITHを注ぐ。トニックウォーターを注ぐ。軽くかき混ぜる。ゆっくりと一口目を飲む。目を閉じて、深く呼吸する。
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