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進化する原点 Goodbye to Trends

ふとしたことがきっかけで、自宅の近所に素敵な公園があることを知りました。今の家に住んで3年ほど経ちますが、その場所は家から徒歩10分ほどの距離に存在していたにも関わらず、駅までの道やコンビニへの道といった日々の目的化された経路とは異なる方角にあるために、これまで意識化されることはありませんでした。

緑生い茂る公園のベンチに座っていると、柔らかな木々の囁きや子どもたちの遊び声が心地よく、現代社会の中で日夜「消費」のために生み出され続けている「新しいもの」なんか無くとも、今「当たり前」にあるものとしっかり向き合うだけで人は幸せに居られるのではないか、と考えてしまいました。ちょうどこのコラムを書くためのインプットのために持ち歩いていた本が無印良品の思想を紐解くような一冊だったのですが、そのとき偶然に感じた「原点や当たり前を深く見つめ直すような気付き」と、本の中に記されていたメッセージに、たくさんの共通項を発見することになりました。

時代の先を見据えながらも、物事の原点に回帰することを基本思想とする無印良品は、SIPSMITHの哲学(伝統的な製法へのこだわりや本質的なものを見つめようとする態度)にも多くの類似点を見出すことができます。いわゆる「ブランドもの」的なるものにこだわらない、ということに徹底的にこだわることで、一見矛盾するような両義性を無印というブランドとして確立していますが、その思想を理解する上で常に引用されるのが、無印の立ち上げからそのコンセプト開発に深く関わったグラフィックデザイナーである田中一光氏の言葉です。

「簡素が豪華に引け目を感じることなく、その簡素な力に秘めた知性なり感性なりが、むしろ誇りに思える、そういう価値体系をもっと世界に発信できれば、もっと少ない資源で美意識や豊かさを謳歌できる」

MUJIは、今では日本だけでなく世界に広く浸透したブランドですが、もともとは現代の行き過ぎた消費社会に対するアンチ・テーゼとして誕生しました。そういう意味でも、ロンドンドライジンというオーセンティックなスタイルにこだわり、数多あるクラフトジンブランドの中でも一貫した思想と独自の地位を維持しているSIPSMITHに、似た匂いを感じてしまいます。

無印は商品企画において、「真」のベーシックと、時代性を取り入れた「新」のベーシックという2つの観点から考えるそうです。UNIQLOが提唱する「LifeWear(究極の日常着)」というコンセプトにも近しい思想を感じますが、シンプルでこだわりのある生き方を志すSwanLabコミュニティの私たちも、そのような哲学を携え、日々自問自答を繰り返しながら自分なりの豊かさを追求していきたいものです。

NOTES:
・無印良品の会長である金井政明さんがMUJIの思想と田中一光について語っている記事があります。
・「言葉」という切り口からMUJIを形作っていったコピーライター小池一子さんの記事も発見しました。

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自分好みの一杯を追求していく楽しさもありますが、自分がこれまで経験してきたことを踏まえて「人々にとって最高の一杯とは何か」と問い直してみると、今日のジントニックの味も少し変わってくるかもしれません。

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