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こだわることの意味 Simple and Easy

先日、『低空飛行』というポッドキャストを発見しました。無印良品をはじめ、日本の名だたる企業やブランドを顧客に持つデザイナー原研哉さんが聞き手となり、様々な分野で日本を代表するような仕事をされている方々をゲストに、「日本の未来資源を発見する」という壮大なテーマを読み解いていくという内容です。

たまたま聴いた回のゲストは、料理研究家の土井善晴さん。音声コンテンツということもあり、散歩をしながら気軽な気持ちで聴いたのですが、料理というものの意味を本質的かつシンプルに捉える彼の視点は目から鱗であり、キッチンと縁遠い現代生活を営んでいる自分にさえ心に深く響くような内容でした。

そのことをきっかけに、「食べる」という人間生活の基本的な営みについてもう少し考えてみようと思い、だいぶ前に買ったまま本棚に眠っていた『一汁一菜でよいという提案』という土井さんの著書を紐解いてみることにしました。そうすると驚くことに、彼の考える一汁一菜というコンセプトが、多くの点でSwan Labの思想に通底しているということを発見しました。

一汁一菜とは「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」である、という宣言からはじまる本書では、それ故に、「日々の料理に手間をかけるべからず」という印象的かつ逆説的なメッセージが中心となっています。これは、「自然に生かされている」という日本人的価値観を背景に、人間が手を加えて何かを創造するのではなく、自然が生み出すものと人間がどのように共生するのか、という問いが根底にあるように思います。

これまで本コラムでは、日々のひとつひとつの行為にこだわりを持って向き合うことの豊かさを語ってきたため、このメッセージをどのように咀嚼するべきか、「こだわる」ということの実生活における解釈について、しばらく考えてしまいました。そうして思い至ったひとつの理解は、「こだわる」とは特別であろうとすることではなく、日々の「当たり前」に対して高い解像度で向き合うということなのではないか、というものでした。そう捉えると、一汁一菜というコンセプトは、私たちの基本的生活のあらゆる対象に対して応用可能なものに思えてきます。

シンプルでこだわりのある生き方。現代におけるその解釈の仕方は国や文化によっても多様に変化するものであり、だからこそ考え続ける楽しさがあるのかもしれないと、改めて感じました。

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食事を一汁一菜というシンプルなものにすることで、食後の一杯の美味しさがいつもよりも際立って感じられるかもしれません。あなたにとっての「こだわり」とは何か、一杯のカクテルをつくる過程を通して考えてみるのも面白そうです。

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