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カテゴライズの複雑性 Boundary of Things

Swan Lab発の書籍「SMITHBOOK」が、いよいよ7月に全国書店にて発売になります。そこに登場するSMITH(=現代の職人)たちの人生の物語を改めて読み返す中で、生きることと働くことの関係について考えさせられます。今回はそのテーマについて少し考えてみたいと思います。

人はつい、「わかりやすいもの」や「答えらしきもの」を求める習性があるので、無意識に物事をカテゴライズしようとします。フリーランスとはこういう人たち、起業家とはこういう人たち、料理人とはこういう人たち、デザイナーとはこういう人たち、と、何かをひとくくりにすることで、世界をシンプルに認識する癖がついているように思えます。しかし、現実はとても複雑で、そこには人間一人ひとりに固有の物語が存在しています。故に、「どのような視点で境界線を引くのか」によって、カテゴライズの形は変わるし、生きることと働くことについても、人それぞれの、多様な線の引き方があります。

「仕事」という領域で人々が思い浮かべる大きなカテゴリーのひとつに、会社員かフリーランスか、という分類があります。しかし、コロナ後の世界において、このようなカテゴリーはその意味を急速に失いつつあるように感じています。これまで、この区分けは仕事の契約形態の違いを表すものでしたが、現在のリアルを見つめると、そうではなく、「生き方」や「姿勢」の話なのではないかと、以前よりも強く感じるようになりました。

フリーランスとして生きるということは、社会の中に自分が理想とする世界をつくろうとする態度であり、(起業家を含め)会社員として生きるとは、社会そのものを自分たちが理想とする世界に変えていこうとする態度である。コロナは、人々をそうした新しい世界観へと導く(あるいは気付きのきっかけを与える)加速装置としても機能したのではないかと思います。

これらを「生き方」の話だと考えれば、もちろんフリーランス的でありながら時に会社員的である人もいれば、起業家的でありながら時にフリーランス的である人もいて、一人ひとりの人間の複雑さを考えれば、同時にたくさんの解釈と形態が存在しているほうが自然です。それでも多くの人が望むのは、フリーランスのように軽やかに行動しひとつひとつの仕事への意味付けを大切にしつつ、起業家や会社員のように社会全体にどう影響していくかという野望を持って、自分の人生を生きることではないではないでしょうか。

シンプルでこだわりのある生き方と働き方の、現代的な実践とは、そのようなものかもしれません。そうした理想へと近付くために、今できることは何かと、改めて自分に問い掛けたいと思います。

NOTE:
書籍発売までもう少し時間がありますが、外出も自由にできず時間の使い方に悩むこの連休に、改めて「SMITH BOOK PROJECT」の25本の記事を読み返してみると、新たな発見があるかもしれません。

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ジン・トニックという極めてシンプルな一杯も、時代によって変化を続けています。近年ではトニックウォーターの「甘み」が重たすぎるという印象を持つ方も多く、バーで提供されるジン・トニックも、(もともと甘さを少しおさえるために最後に少量のソーダを加えるお店も多いですが)ソーダの分量が少しずつ増えてきているようです。トニックとソーダを半々で割るとジン・ソニックというカクテルになりますが、現代のジン・トニックは、ジン・トニックとの境界がより曖昧になってきている、という話も聞きました。ジン・トニックの境界線をどこに引くのか、あなただけの答えを探してみるのも面白いかもしれません。

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