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正しく為すこと

本コーナーでは、ニュースレター編集部がSwan Labをより深く楽しむためのさまざまなコンテンツをコラム形式でお届けしていきます。
先週に続き今週も、SIPSMITHのフレーズとエピソードをご紹介します。SIPSMITHのWEBサイトやカクテルブック『SIP』に掲載されている、彼らの哲学を表した一文です。


“Taking shortcuts is crafty, but doing things properly? That’s craft.”
近道することは巧妙だけれど、正しく物事を行うということは?それこそがクラフトである。

シンプルなものづくりの中に美しさを見出したい一心で、SIPSMITHは近道を避けてきました。2009年に彼らがジン作りをスタートしたとき、業界では蒸溜液をアルコールと水で薄めて作るのが主流でした。蒸溜に必要な量よりもはるかに多くのボタニカルを使用し、蒸溜器に入れて濃縮された蒸溜液を集め、それをアルコールで希釈してジンを作るという方法です。

これはロンドンドライジンの法的定義にある一般的な製法でしたが、彼らは、昔ながらの伝統的な「ワンショット製法」に立ち戻りたいと考えました。それは、ロット毎に厳選して準備した原材料だけを蒸溜し、その後水以外は一切加えず濃厚で力強い味わいを引き出すという、時間も技術も必要で、一度に少量しか作れない製法でした。

この製法の先にこそ最高峰のロンドンドライジンがあると信じ、近道を選ばず、彼らの信じた方法でジンを作り始めました。知らず知らずのうちに、クラフトジン復活の一歩を踏み出したのです。他の誰もが右を行くなか、左を行く決断をするのは簡単なことではありませんでした。

当時、そんな彼らへの批判があったとすれば、1本1本手作業で生み出しているため、完璧に一貫した品質にするのはほぼ不可能であったことでした。そんなとき、銀細工職人であるフェアファクス(創業メンバーの一人)の父から、職人として大切にしていることを教わったそうです。「完璧な一貫性とは、機械が担保するものだ。鍛冶工芸品とは、職人の技術そのものであり、ある本質的な価値を持った何かが、技術や愛、献身さによって、より価値のあるものとなっていくプロセス。それを作った人の職人性が反映され、個性があるからこそ、結果として特別なものになる。」

この教えを忘れないよう、彼らは “SMITH(=職人)”をブランドの名前につけました。“SIP”には、“味わいを感じながら飲む”という意味が込められています。そうして、“SIPSMITH”が誕生したのです。

人生の過程では、回り道に思えるようなこともあるかと思います。ですが、それが自分の信念に沿った道であれば、結果として回り道が一番の近道となるかもしません。
本日公開された記事にも、藤岡響さんがそんな「回り道」を経て辿り着いた境地について書かれています。みなさんも記事を通して、自分にとって本当に歩むべき道はどこか、ぜひ考えてみてください。


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