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バーという存在の意味 What's the meaning of a bar?

ロンドンのバー「Bar Termini」を訪れた時のこと。

SOHOの喧騒の中にあるこの小さな店は、コーヒーからカクテル、フードを朝から夜まで、カジュアルに提供するイタリアンスタイルのカフェバー。落ち着いた雰囲気の店内は、ピスタチオ色の革が貼られた座席が印象的でした。

ここに来たら、ジンベースのカクテル「ネグローニ」、と聞いていたので注文。
「うちのネグローニは何種類かあるんです。スタンダードで伝統的なもの、香り高いもの、しっかりと深みのあるもの。どういうテイストがお好みですか?」
女性バーテンダーは親しい友人を招き入れるように、笑顔で軽やかに案内してくれる。

通常は、大きな氷を入れたロックグラスで提供されることが多いこのカクテルですが、Bar termini では、小さい脚付きのカクテルグラスに、ボトリングされたネグローニ (もうすでに出来上がったネグローニがボトルに入っている!) が、グラスのふちぴったりまで注がれます。

店内には、まだ明るい時間からネグローニやスパークリングワインを楽しむ女性たち、バーカウンターでエスプレッソをさくっと嗜んで帰る男性、知的な会話を楽しむカップル。

日本でバーというと、少し特別な時に行く人が多いけれど、ここはとてもオープンな雰囲気。カフェにふらっと来たけれど、なんだか気分がいいからお酒にしちゃおうかな、なんて気持ちにさせられてしまうような。

カジュアルな雰囲気で接してくれるけれど、カクテルをつくる所作やグラスのサーブの仕方にしっかりと基本の「型」の上質さを感じるバーテンダーの姿勢。
サービスだけでなくメニューや空間、グラフィックやアートワークすべてにフィロソフィーを感じて、こういう店が普遍的な存在としていつまでも愛されるんだと思い知りました。

店名はイタリア・ローマにある、ヨーロッパ各国へと繋がる鉄道のターミナル「テルミニ駅」に由来しているそう。
確かに店内をよく見てみると、ヴィンテージのスーツケースが。ボトルドネグローニのラベルのアートワークも、鉄道と旅の景色が描かれています。

様々なバックグラウンドを持った人々が、かわるがわる訪れ、去っていく。
バーという存在は、人生が交差する駅のようなもの、ということなんだろうか。ネグローニを嗜みながら、そんなことに思いを馳せていました。

私にはこの場所が、人生という旅に出た人々が、小休止のひとときを楽しむ停留所のように思えました。

そんな時、バーとは「止まり木 (=鳥が羽を休めるために止まる木)」の意味だと聞いたことがあると思い出します。
楽しい時も、気分が落ちているときも、どんな気分のときも寄り添い、受け入れてくれるバーという存在は、一瞬立ち止まることを許容してくれる場所。

Bar Termini のようなカジュアルでオープンな場所は、現代に愛されるバーの姿のひとつなのかもしれません。

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ジン、カンパリ、スイートベルモットで作られる「ネグローニ」。古くから世界中で愛されるこのカクテルを楽しむなら、ベースはやはり伝統的な製法で作られるSIPSMITHがおすすめです。
どっしりと深みのある、王道の味わいを楽しむことができます。

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