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出逢いは必然に


本コーナーでは、ニュースレター編集部がSwan Labをより深く楽しむためのさまざまなコンテンツをコラム形式でお届けしていきます。
今週は、SIPSMITHの誕生ストーリーをご紹介します。ジンやSIPSMITHの知識を深めると、また違ったSIPSMITHの味わい方ができるかもしれません。世界で広がるクラフトジンブームの火付け役、SIPSMITHの始まりを見ていきま しょう。

SIPSMITHの物語は、 イギリス出身の Sam Galsworthy(サム・ガルスワージー)とFairfax Hall(フェアファックス・ホール)という二人の幼馴染から始まります。 大学生の頃、彼らはアメリカで起きていたクラフトブームを目の当たりにしました。大量生産ではなく、愛情を注ぎながら手作りで少量を作るというクラフトのコンセプトに深く感銘を受けたのです。そして、そのクラフトのコンセプトと彼らの愛してやまないジンを融合させ、イギリスに持ち帰りたいと考えました。ジンの本場であるにも関わらず、2006年のロンドンにはたった2つしか蒸溜所がありませんでした。 2007年、彼らはとあるパーティーで 「生きている人間の中でジンの歴史を彼ほど知り抜いている者はいない」と言わしめるお酒の歴史家、 Jared Brown(ジャレッド・ブラウン)を紹介されます。この出会いが SIPSMITHの原点となります。同じビジョンを持った3人はその夜のうちに、世界最高のロンドンドライジンを作るという目標を掲げたのでした。

しかし彼らが事業を始めようとした時、予想外の事態に直面しました。当時の法律では、1,800リットル以下の蒸溜器の免許を取得することは不可能で、彼らの持っていた新しい蒸溜器は300リットルしかありませんでした。しかし、揺るぎないビジョンと情熱を持った彼らは英国政府へ陳情し続け、2008年に法律の改定にこぎつけたのです。ちなみにこの時、200年ぶりに認可されたため正式な書類がなく、受け取ったのは手書きの認可証でした。これが、ジン・ルネッサンスの幕開けです。

3人が持つビジョン。それは、妥協を許さないロンドンドライジンを、昔ながらの製法で、本来あるべき姿で醸造すること。クラフトマンシップをマスターするには、忍耐が鍵となります。もちろんそれだけではなく、惜しみない努力と独特のセンスが必要でした。

2009年3月14日。ついにレシピが完成。シップスミスのこだわりの一つである、最初の銅製蒸溜器「プルーデンス」で作られました。一口飲むごとに職人技を感じられる、SIPSMITHというジンブランドの誕生です。SIPSMITHの“SIP”は一口ずつ味わいながら飲むこと。“SMITH”は、熟練した技術を持つ職人を意味しており、伝統的な製法で作る本格的なジンを広めたいという情熱をブランド名に込めています。彼らは完成したSIPSMITHをスクーターに詰め込み、自ら高級ホテルやデパートに手売りしました。

その後、スペインで最初の海外進出を果たし、今では50ヵ国以上の国で愛されています。ジンの本場ロンドンでジンカルチャーが花開いた18〜19世紀の伝統的な製法とレシピにこだわったSIPSMITH。さまざまな規制によりロンドンから小規模な蒸溜所の灯りが消えて以来、およそ200年ぶりに認可されたSIPSMITHの蒸溜所は、2009年にロンドンでスタートしました。その後、約70ものクラフトジンの蒸溜所が立ち上がり、ロンドンは再びジンカルチャーの発信地としてジン愛好家から注目を集めているのです。ぜひ、3人のスミスの情熱と努力が繋いだジンの歴史を感じながら、SIPSMITHを味わってみてください。


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