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欠乏感からは逃れられない

結論から書こう。人生とは何かしらの数字やステータスで相対的に他人と比べている限り、何とも言えない欠乏感からは逃れられない仕様になっている。

先日、某SNSを覗いていると、目を引く投稿に出くわした。

出典:X

スクリーンショットをしてそのまま放流してしまったので、この方の年齢など詳細は分からないが、保有資産1,000万円は現代日本の世の中では大金だ。

ただ、俗世とかけ離れた旧ツイッタランド(現X)。20代30代で保有資産1億円越えの猛者達がウヨウヨしており、1,000万円程度では雑魚扱いされてしまい傷心してしまったのだろうかと心配になる。

とは言え、この手の投稿はインプ稼ぎのネタ投稿なので本気で心配はしていない。

それより、このような心境に本気で陥ってしまった人のために調べたい。

筆者も30代ではあるが、世の30代の保有資産額とはどのくらいなのだろう。

可能な限り正確に世の中を捉えるべく、雑にGoogle検索を使って情報を探してみたところ、適当なデータがあったので紹介したい。

引用:https://www.smbc-card.com/nyukai/magazine/tips/thirty-asset-formation.jsp#:~:text=Q1%EF%BC%8E30%E4%BB%A3%E3%81%AE%E9%87%91%E8%9E%8D,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%86%E3%81%8B%E3%81%8C%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

平均で710万円。中央値記載はなかったので不明だが、最大のグループが「100万円未満」で20.6%、「100万円未満」~「400万~500万未満」で全体の50%以上を構成しそうなので、中央値は概ね500万円弱という所だろう。

もし、旧Twitter(現X)の投稿主さんが30代だった場合、保有資産1,000万円は中央値の約2倍、平均値の約1.4倍なので、十分すごいと言えるレベルだと勝手に思っている。

しかし、この投稿を見る限りだが、投稿主は狭いリアル世界では周りの他人から「凄い」と思われていたのに、インターネットという大海の更に株クラという猛者達の巣窟に片足を突っ込んでしまった途端に自分よりも大きな金額を持つ人々を大量に目にし、挙句の果てには「誰でも貯まる」と言われ、半ば笑われるような対応をされ、残念な気持ちと1,000万円では足りないという欠乏感を感じ始めているのではないだろうか。

世の中は広くて狭い。

どんな世界にも、上には上がいるのが世の中である。

保有資産額でも所得でも偏差値(学力)でもIQでも、毛色は違うが異性からのモテなんかでも、圧倒的な客観性で示す”数字”で他人と比べれば、終わりなき競争と、劣等感、欠乏感からは逃れられない。

筆者の主観になるが、なんの世界でもこれをやっていると幸福度が下がる気がする。

元TOKIOの山口達也さんが依存症の方々へ向けた講演会で以下のような事を語っていた。

山口達也さん:
2010年、2011年、2012年、めちゃめちゃ忙しかったです。めちゃめちゃ“島開拓”してました(笑)。たぶんその時、もうアルコール依存症者でした。

https://www.fnn.jp/articles/-/693530

山口達也さん:
私の場合は、すべての始まりは「不安」でした。「山口くん何が不安なの?」と、あんなに張り切ってタンクトップ着て、海潜って、毎日毎日働いて「ウェイ」っ言って、「オー」って歌って、あぁ歌はたまにか…。仕事は充実していました、楽しかった、だから酒を飲んだ。

仕事は充実していたものの自己肯定感が低く、他人と比べて「自分はできていない」と思うことがストレスとなり、飲酒を繰り返したという。

山口達也さん:
“あの人の方が司会者うまいんじゃないか。”“歌手でいうとあの人の方が楽器がうまいじゃないか。”なんで俺は…ってなっちゃう。それが「依存物質依存行為」につながるかもしれない。

生々しく、リアルな人間模様。

かく言う筆者も資産運用を始めてそれなりの期間が経過しているが、資産運用額や総資産額を他人と比べればキリがない。”自分にとっての充分”を把握して、そことだけ比較すればいいのだ。

もちろん、目標やマイルストーンをセットして、そこを目指して日々邁進する為のスパイスや刺激として、他者をベンチマークすることは良い側面もあるだろう。

またマイルストーンや目標にタッチしてしまうと、もっともっととなってしまうのも人情である。

出典:ドラゴン桜

それも含めて面白いのが人生。

悩みは尽きない。



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