【2024年4月前半相場の振り返り】サラリーマンでも出来る再現性の高い資産形成
ストックトレーダーズアルマナックによると、1952年以降、大統領選挙年4月のS&P500指数平均上昇率は選挙翌年、中間選挙年、選挙前年の4月の約50%と弱い傾向があるようです。
また過去約70年のデータによると4月はボラティリティ(価格変動)が激しい傾向があります。
アメリカでは確定申告が4月中旬にあり、それまでに株式を売り、現金を用意する動きも関係していそうですね。
ただ、これらは過去の傾向であって、今年はどうなるかを正確に予想することは不可能ですが、2024年4月前半はまさにボラティリティが激しく、株価は軟調なので、概ね当てはまっています。
とは言え”どうなるか分からない”という前提にたったうえで、自分はどうするのかを考え、実行することが大切かなと思う訳です。
それでは4月前半の振り返り。
■起きている事
●米国10年債利回り動向
金利は上昇していて、心理的節目だった4.5%も超えてきました。インフレがなかなか下がらず利下げ期待も後退しています。
●株式マーケット観察
金利が上がり、株は下げると。
これまで年明けから一本調子で強かった株式も4月に入り調整中です。
●経済指標観察
-米国 雇用統計(重要)
依然として雇用は強い結果。非農業雇用者数も予想を大幅に超え、失業率も低位安定しています。
ただ平均時給が上がっていないので、パートタイマーが増えている傾向は変わらずか。
-米国 消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数の鈍化は見られず、むしろサービスインフレは加速。今の株式市場には逆風です。
また、市場参加者の利下げ期待も後退し、ドル/円は34年ぶりに1ドル/153円を付けました。
-米国 生産者物価指数(PPI)
生産者物価指数も減速の確たるものを感じさせるデータではなかった印象です。
というのも、今は物の値段より賃金やサービスや家賃がインフレを高い状態にしている。
●気になるニュース
-地政学リスク再燃
4月1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館へのイスラエルによるとみられる攻撃で、イランの軍事精鋭部隊、革命防衛隊の司令官ら7人とシリアの市民6人が死亡しました。
イランはイスラエルへの報復を宣言しており、中東情勢が緊迫する可能性があります。
原油価格やそれに伴うインフレ再燃も当然考えられるので経済的にも無視できない状況かなと思います。
■4月前半にしたこと
●新ポートフォリオのパフォーマンス確認
3月FOMC後にドル資金置き場にしていた$SHV(米国超短期債)を売り、$IWM(ラッセル2000連動ETF)を新規で加えました。これにて手持ちのドル建て無リスク資産をほぼリスク資産に移し替えたことになります。
せっかくなので、代表的な指数連動ETF(S&P500/NASDAQ100)とドル建てMyポートフォリオ(NISA口座と投資信託を除いた特定口座)でのパフォーマンス比較をしてみます。
4月1週目はS&P500より悪く、NASDAQ100より良い結果でした。
4月2週目はS&P500、NASDAQ100より悪い結果でした。
4月前半戦トータルでもS&P500、NASDAQ100より悪い結果でした。
FOMC後に追加した小型株ETFの$IWMが足を引っ張り、ヘルスケアセクターETFの$VHTも指数に劣後していました。ドンマイですね。
●数理的より合理的に
モーガン・ハウセル著【psychology of money】の中で、「数理的より合理的に」という印象的な一節があります。
高度な数学を使う金融理論を用いて、相対的にリスク当たりのパフォーマンスが良いとされている投資法のひとつとして「コストが低く、十分に分散された時価総額加重平均のインデックファンドへ時間分散することなく一括で投資する」というものがあります。
筆者自身も既にオープンにしている通り、リスク資産の約90%は全米や全世界の株式に時価総額加重平均で投資するインデックスファンドになりますが、残りの10%はETFや個別株でアクティブに運用しています。
上段のパフォーマンス比較の結果もそうですが、ポートフォリオ全体として$VOO等の指数に長期で見ても負けることは分かっているのになぜインデックス投資1本にしないのかは、この概念に由来しています。
一言で表せば、楽しいのです。
取り返しのつかない決定的なミスをしないよう自分自身で決めた規律を遵守し、自分にとっての「合理性」をこれからも大事にしていきたいです。
■4月後半にやること
●決算シーズン到来
第1四半期の決算シーズンが到来です。
現在S&P500向こう12か月先の予想EPSで約20.5倍を超える株価収益率を正当化する業績&ガイダンスを示せるのかに注目です。
ファクトセットによると、2024年第一四半期のEPSガイダンスを事前の市場予想よりマイナスに示した企業の割合はファクトセットが2006年にこの指標の追跡を開始して以来、四半期としては2019年第2四半期と2016年第1四半期に並んで2番目に多いとのことです。
要するに、前回(2024年1月)の決算発表で企業が示した業績ガイダンスがあまり良くないということですね。
まだ決算発表日が不確定な銘柄もありますが、4月後半はこの辺りに注目していこうと思います。
●ポートフォリオ修正
サテライト枠のポートフォリオを変更しようと思います。
ここ2ヶ月の雇用統計、消費者物価指数、生産者物価指数を観察するに、3月のFOMCで年内3回利下げ(6月スタート)のシナリオを想定していたのですが、そのシナリオが崩れました。
$IWM(ラッセル2000)を損切し、新興国ETFも減らします。
変わって、大型ハイテク株ETF($QQQ)、エネルギー関連ETF($VDE)をポートフォリオに加える予定です。
■まとめ
各経済指標は引き続き強い米国経済を反映しているようなデータを提供しています。
また4月に入り、新たな地政学的リスクも表面化してきており、原油高も進行、インフレ再燃のリスクも意識され始めました。
これらを踏まえ、FRBの「6月利下げ開始」「年内3回利下げ」も怪しくなってきており、10年債利回りも上昇基調、株価も軟調な展開かと思います。
つい最近(3月20日のFOMCあたり)まではインフレ鎮静化と年内3回利下げがメインシナリオでしたが、状況は刻々と変わりますね。
この先、何がどうなるのかはさっぱり分かりません。
現在分かっていることを改めてまとめると…
①現在は2023年10月を起点とするブルマーケットの中である
②米国経済は強く景気後退期ではない
③インフレ退治は終わっていない
この辺りは不変でしょう。
では、景気が底堅く、インフレで利下げできないと株価は軟調に推移するのか?と言われれば、そうではないらしい。
1990年代のドットコムブームの時がまさにそれです。
いつ、どういった形で何かが変わり、その時株価はどうなっているのか分かりませんが。
ただ、一般論として200年以上の歴史が示すように、幾度ものインフレ、戦争、不景気を乗り越え、世界や米国の経済や株価は成長してきました。
長期で見れば、金融市場に居続けさえすれば良い、と歴史は教えてくれています。
各々の戦略によっては売ったり買ったりも結構ですが、筆者としてはコアに関してはバイ&ホールドを貫きます。
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