【2024年7月後半相場】サラリーマンでも出来る資産形成
久しぶりにアメリカ株式市場にインパクトのある下落が来ました。また7月後半に円高ドル安が急速に進み、一時は151円台まで巻き戻る局面もありました。
これまで米国株に投資をしている日本人は株価の下落局面でも円安ドル高の恩恵により円建て保有資産の下落をマイルドにするようなパターンが多かったのですが、今回は株安ドル安のダブルパンチの様相。
保有資産を大きく減らした人も沢山いるでしょう。(筆者もそのうちのひとりです)
さて、今の皆さんの心は何を感じているでしょうか。
「怖い?」「不安?」「株価が常に気になる」
もしそうであるなら、自身のリスク許容度を超えたリスクをとっている可能性がありますので、資産配分比率の見直しをお勧めします。
ちなみに筆者の心の声は「この夏も、最高に楽しむぜ」です。
それでは7月後半の振り返り。
■起きている事
●米国10年債利回り動向
長期金利は7月を通じて下落方向でした。教科書的に金利の低下は株式には追い風なのですが実感できない7月だったかと思います。
しかし、金利に敏感な中小型株は実は堅調な月だったので、AI期待に支えられていた大型株の調子が振るわなかったという感じです。
●株式マーケット観察
ーS&P500
米国を代表する500社で構成するS&P500は7月軟調な動きとなりました。上でも書いた通り、大型テック企業の軟調さをモロに受けている状況です。
ー市場センチメント
市場の心理状態としては”恐怖”を指しています。
●経済指標観察
-米国 生産者物価指数(PPI)
6月末に発表のあった消費者物価指数(CPI)とは逆に前回数字&予想を超えるインフレ寄りのデータが出てきました。
-米国 小売売上高
こちらも予想を上回る強い数字が出てきました。しかし市場はインフレ鈍化の見方を崩しておらず、金利も下がる方向に動いていました。
-米国 個人消費支出物価指数(PCE)
ほぼ予想通りの結果となりました。株式マーケットは大きな反応することなく、短期的にはマクロ経済指標よりも企業決算に注目が集まるフェーズかなと思います。
-米国 連邦公開市場委員会(FOMC)
ほぼノーサプライズの内容でした。
FOMC後、金利は素直に反応し金利低下、株価上昇、ドル下落です。
●気になるニュース
-世界的なシステム障害
急成長中のサイバーセキュリティ企業$CRWD(クラウドストライク)のセキュリティソフト「ファルコン」が起因したシステム障害が世界中で大きな影響を引き起こしました。
賠償がどうなるのか、今後の新規契約増への足かせになりそうだ等、様々な憶測が飛んでいます。まだどうなるかはわかりませんが、短期目線で企業業績になにかしらの影響が出ることはほぼ確実でしょう。
筆者としてもクラウドストライクは個別株で保有している投資先になるのでしばらくは無傷で済まなそうな予感です。
■7月後半にしたこと
●決算精査
第2Qの決算発表シーズンが佳境を迎えつつあります。
これまでのところ全体として、S&P 500構成企業の41%が2024年第2四半期の決算を発表していて、このうち78%の企業が予想EPSを上回り、5年平均の77%、10年平均の74%を上回っている状況です。
売上高に関しては、S&P500構成企業の60%が予想売上高を上回ったと報告しており、これは5年平均の69%、10年平均の64%を下回っている状況です。
向こう12ヵ月先の予想PER は20.6 で、5 年平均(19.3 )と10 年平均(17.9 )を上回っています。しかし、このPERは第2四半期末(6月30日)のフォワードPER21.0を下回っている。
以下、個別企業決算をピックアップです。
■8月前半にやること
●決算精査
8月も重要な決算発表が続きます。個人的に$AMZN(アマゾン)、$AAPL(アップル)、LLY(イーライリリー)あたりには特に注目しています。
■まとめ
直近の経済データはインフレ鈍化を示すものが多く、市場参加者は9月のFOMCにてFRBによる利下げをほぼ織り込んでいます。
それに合わせて政策金利との連動性が高い短期金利(2年債利回り)も低下してきており、10年債利回りと2年債利回りが逆転する逆イールドが解消されつつあります。
過去のデータでは逆イールド解消後は例外なくリセッションが来ていますので、今回はマイルドなリセッションに出来るのかに注目しています。
企業業績に関しては、ここまで全体として良好な決算を報告していますが、もともとのM7は期待値が高いのと、株価収益率が高いこともあって良い決算を報告してもその後の株価は冴えないパターンが多い印象です。
また、市場の雰囲気として、AIに対する過剰投資、リターンの不透明性が指摘され始め、半導体銘柄やM7に代表するハイパースケーラーの株価が軟調、これが相場全体の調整に繋がっています。
小売り関連企業の決算では売上高の決算ミスが多く、消費者の弱体化を感じることができます。
政治に関しては、トランプ氏銃撃事件後、急速に共和党優位の織り込みが進み、トランプ氏の再選を前提に株式や通貨、債券などを取引する「トランプトレード」が走りだし、セクターローテーションが起こっています。
それらを総合し、直近の株式マーケットの下落は市場参加者にそれなりのインパクトを与えているようですが、今一度思い出しましょう。
今年の4月にも株価が下げた局面がありました。
株価は上がり続けることはありません。過去のデータでは5%前後の株価下落は1年で3回ほどあります。10%前後の下落も1年で1回ほどあります。
株価の上下動はいつものことなのです。
という感じで、クラウドストライクのデッドボールを被弾した件を含めて、車1台分ほどの資産を短期間に失いましたが、筆者としては特に変わったことをするつもりもなく、どんな時でもコツコツと、粛々と、基本行動としては市場全体丸ごと買い続けていこうと思います。
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