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統合失調症の服薬の心得

私は統合失調症を患って、毎日服薬しています。
二十一歳から二十年以上続けています。

最初は医師も様子を見て薬を変えたりしていましたが、半年ほどでしょうか、私の精神が安定して来ると、それからは薬を変えずに二十年以上経過しています。

最初は自分で内服時に薬をひとつずつ取り出して数を数えて、決められた量の薬を飲んでいました。しかし、デイケアで知り合った人に、「薬局で『分包にしてください』って言えば、飲むたびにいちいち数えなくてもいいように、袋に一回ずつの薬を入れてくれるから楽だよ」と教えられ、薬局で分包にしてもらうことにしました。それ以降は数える手間も省けて飲む時に楽をしています。

私は自分が何という薬を飲んでいるか、知りません。
興味がありません。
医師の処方を完全に信頼しています。それは初診を受ける前から決めていたことです。「現代医学にすがろう」
処方された薬を飲み続けることは、神棚に毎日欠かさずお供え物をするような、信心深い行為だと私は思ってます。
今の医師が引退したら、別の医師にも同じ薬を継続して処方してもらうように頼むつもりです。

私は医師を信じ薬を飲み続けるという努力を二十年続けてきました。二十年前に比べたら、嘘みたいに心の健康状態がよくなりました。精神病患者は見た目でわかるなどと言う人もいるかと思いますが、現在の職場の仲間には私を精神病なのではないかと疑う人はいないと思います。
私は一日八時間労働をするパート労働者の介護士です。一日八時間働いているのに正規職員じゃないのは夜勤をやらないからだというのが施設の論理らしいです。
同僚には、「なぜ、正規職員にならないの?」と訊かれます。
私は、「夜勤が嫌だから」と答えることにしています。
そうすると同僚は、「もったいない」と言います。これは私の仕事の能力を認めてくれているということで私の自信になっています。


規則正しい生活の中で規則正しく薬を飲む。
それが統合失調症の治療で一番大切なことだと思います。
減薬、断薬を自分の勝手な判断でするのは医師に掛かった意味がありません。
それから服薬以外の生活も無理のないように向上心を持って送ることが大切かと思います。
生活のレベルあるいは社会参加のレベルをゆっくりと段階的に上げていくといいように思います。
家に引きこもっている人の場合、最初は通院という外出のみでもいいかもしれません。次はデイケアに通うこと、その次は就労支援施設などに通うこともいいかもしれません。
一般就労の意味が私にはわかりませんが、就労支援施設からいきなり正規職員として就労するのはハードルが高い気がします。
デイケアなどの心の居場所を確保しつつ、短期のバイトをするなどもいいでしょう。(ちなみに私の通っていたデイケアはプログラムがなく、ただ、お喋りをするサロンのようなところでした)。
次第に就労時間を長くしていくこともいいかもしれません。
そして、週五日の一日八時間労働という「健常者」の生活に追いつければいいかと思います。
これらの各段階の生活に服薬という習慣を織り込むのです。
使い古された言葉を使えば、「継続は力なり」です。

統合失調症の服薬の心得をまとめます。

一、医師の処方は信じる。

一、毎日確実に飲み続ける。

一、規則正しい生活を継続する。

上記の三条に「何十年も」と一言添えたいと思います。


今回は就労についても言及しましたが、服薬と生活のリハビリはワンセットであると私は信じているからです。

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