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統合失調症の私、富士山と北アルプス登山の計画を立てる

本日は、休暇を取った。北アルプスの山小屋の予約を取るためだ。八月三日に予定しているのだが、その日の宿泊予約は一か月前の九時に解禁ということで、本日、七月三日九時になると同時に電話を掛けた。そして、予約することができた。今年はコロナのために通常の収容人数の半分しか宿泊できない。だから、確実に予約するために本日は希望休を入れた。
そして、その北アルプス登山の前に私は二連休を利用して富士登山をしようと決めた。富士登山は職場の同僚と行こうと以前言っていたのが、雨天とコロナで流れていて、計画が宙に浮いていた。今月はその同僚と日程が合わないためひとりで行くことに決めた。
富士登山は以前したことがある。高校の山岳部で登山シーズンではない九月にテント泊でしたのだが、あいにく雨だった。ご来光は拝めず、山頂では雨と風が激しく、下からの風が強いため、下から雨が降ってくるような感覚だった。思えばあれが、私の統合失調症に罹る前、最後の登山だった。

上高地の梓川

高校一年生の終わりに野球部から山岳部に転部して、二年生の秋まで所属していた。二月から十月までだ。濃密な九か月だった。今にして思えば、その九か月がなかったら、現在こうして登山をすることもなく、ブログで統合失調症の方に登山を勧めるなどということもしていなかったろう。統合失調症の方だけではなく、私は友人など周囲の人に登山を勧めるのだが、みんな食わず嫌いで行かないと言う。そういう人は、登山のイメージをたぶん、里山のハイキングのイメージで考えているのだと思う。私が勧める登山は三千メートル級の高山に行くことだ。あれは別世界だ。だから私はやったことのないスキューバダイビングに憧れる。それもまた別世界だからだ。別世界を日常世界から想像することは難しい。現代ではテレビですごい景色を見ているので、わざわざ行かなくとも、と思う人もいるかもしれない。しかし、そうではないのだ。

東鎌尾根から見た槍ヶ岳

体験というものは絶対に人生にとって大きな意味を持つ。小学生のときなどに、遠足や自然教室などへ行った記憶は忘れないだろう。私は小学校の行事で焼き芋をやったことがあるが、よく考えてみれば焼き芋の体験はそれ以外にない。アルミホイルに包んで焚火の中に芋を投じた記憶は他にない。今、私は学校でやってくれた行事に非常に感謝している。私は現在、特別養護老人ホームで働いているのだが、毎月、季節の行事を計画している。計画する側になると、「こんなことしてなにになるのかな?」などとつい考えてしまうが、施設で単調な生活をしているお年寄りはやはり、そういう行事が楽しみになるのだと思う。それは私が小学校、中学校、高校と振り返って見たときに、自分が自由に遊んだ思い出ももちろん大事だが、誰かが計画してくれた行事も非常に大切な思い出になっている、それと同じだろうと思う。本当に計画してくれた大人たちに感謝している。私も年寄りのために老人ホームでのレクリエーションを頑張ろうと思う。

槍ヶ岳山頂はこうなっている

現在、大人になった私は、登山も旅行も自分で計画を立てなければならない。登山も旅行も計画を立てるところから始まっている。私は今日、富士登山の計画を立てた。北アルプス登山も小屋を予約し、細かい計画は後日行うことにしている。
で、統合失調症の方に登山を勧めるのが、統合失調症者にアウトドアを勧める会会長としての私の役割だが、未経験の人にいきなり自分で計画を立てろと言っても無理だと思う。やはり、誰か知り合いに教えてもらわねばならない。とくに三千メートル級の山に最初からひとりで行くなど無謀だ。私は上に述べたように高校の山岳部の経験と、大学生のときに叔父について後ろ立山連峰縦走などをやったのが大きいと思う。高校の山岳部で道具は揃えてあったし、体力もあった。私にとってキーパーソンは叔父だったと思う。後ろ立山連峰縦走以外にもいろいろな山に連れて行ってもらった。私はそこから独り立ちした。だから、登山を始めるにあたっては、身近に教えてくれそうな人を探すことから始めるべきだと思う。それともうひとつ、すぐにできることがあって、それは登山の雑誌を読むことだ。とくに有力な雑誌は『山と渓谷』だと思う。どこの本屋にもあると思うので探してみて欲しい。アウトドアのコーナーには必ず置いてあると思う。これを読むことで、登山のイメージを膨らませて欲しい。様々な有力な情報が手に入る。あと、本屋には『山と高原の地図』というものが置いてある。私は目的の山の載っているこれを買って、計画を立てる。各コースの行程の目安となる時間など必要な情報が書いてあるからだ。ぜひ、これも手に取って見て欲しい。もちろんインターネットで調べるのも大事だ。写真、文章、動画などを地図で確かめながら見ると良いと思う。山へ行くイメージが広がるはずだ。

山小屋の中はこんな感じ
(ただしこの写真は人気の小屋のため人が多い)

富士登山を計画していると、「弾丸登山はおやめください」という言葉にぶつかる。これは登山を知らない素人が、富士山をナメて徹夜で登って降りて来ることに対する警告だ。しかし、裏を返せば、富士山は素人でも登りやすい山だと言えるかもしれない。まず、迷う可能性が少ない。夏の登山シーズンであれば、客が多いし、五合目以上ならば森がないため視界が利くので他の山より安全と言えるかもしれない。そして、人が多いということは、それだけ助けてくれる人が多いということだ。上の写真を見て欲しい。これは槍ヶ岳山荘の中の様子だが、みんな長袖を着ている。これは八月上旬のことだが、それだけ高山では冷えるということだ。長袖のシャツの上にさらに防寒着が必要なのだ。この写真で中央奥に座っている男性は白いヘルメットを被っている。これは槍ヶ岳は岩山なので落石から頭を守るためだ。手前左手にも白いヘルメットが見える。次の写真は山頂の様子だ。

槍ヶ岳穂先の上はこんなに混雑

ヘルメットを被っている人と被っていない人がいるが、被っている人のほうが、この山の危険性をわかっていると言える。富士山ではヘルメットは必要ない。山によって装備が変わるので事前に調べておく必要がある。
以前、富士山弾丸登山を取材したテレビ番組で、サンダルで登っている若者を見た。これは山の危険性をまったくわかっていないと思う。準備を怠って困るのは自分だ。

山小屋の夕食

上に山小屋の食事の写真を出した。山小屋の予約は素泊まりか、二食付きかとなっているが、私は朝は朝食時間より早く出発するので、夕食のみ付けてもらって、朝は朝食の代わりにお弁当を出してもらう。もちろん二食付きでお弁当も付けることができる。
今回、私は富士山山頂に宿をとったのだが、素泊まりを選んだ。朝食はもともと付けるつもりはなかったが、夕食がカレーだということでやめた。おもしろくないからだ。そうなると夕食を自分で考えなければならない。これもまた楽しみだ。またウィンナーでも炒めようか。
ああ楽しみになってきた。
あとは天気だ。絶対にご来光は見たい。しかし、天気予報は芳しくない。こればっかりは神頼みだ。
神様!山の神様!どうか私が富士山に登る日は晴れにしてください!
ああ、楽しみだ。

*と、ここまで書いて来て思ったのだが、この記事、統合失調症と関係なくね?

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