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【小説】神だのみThunder歩き

 別に救いを求めて神社仏閣に行く訳じゃあない。
 自分ひとりではどうにもならない時に行って、それでどうにかなる時がある。もちろんどうにもならない時もある。
 それでも別に何かを願ったり祈ったりする訳じゃあない。ただそこに行って、時間を過ごすだけだ。

 座っているだけでいい。缶コーヒーを飲んだり煙草を吸ったりする。
 大体、普段から神社の為に何かしている訳でも無いのだから、こんな愚連隊の様な手合いがたまにふらりと訪れたところで、祀られている神様がそんな小僧の願いや祈りを聞き入れるとも思わない。
 いくら人間に祀られている神様だからってそんなに暇じゃあないし、お人好しでもないだろう。

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