【短編小説】GrandMotherAuto
「これはどこに向かっているんだい」
おばあちゃんが不安そうな声で尋ねたが、俺は答えずにいた。
「いつもの買い物に行く道と違うんじゃないかい」
「買い物になんて行かないだろ」
思わず答えてしまったが後の祭りだった。
「よかった、聞こえていたんだね」
「……あぁ、聞こえてはいるよ」
「そうかい。ところで、どこに向かっているんだい」
「まぁいいじゃん、そんなの」
「少し不安になるよ」
「大丈夫だよ」
俺は優しくアクセルを踏んで、ゆっくりと車体を進めた。
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