【小説】明日を確認する(離婚ファーム)
今日も明日を確認する。
夕方になると俺は明日を確認する。ほんの5分とか10分程度で良い。明日があり、同じように無事に過ごす事を確認している。
それを未来予知だとかタイムスリップと呼ぶのかはわからないけれど、とにかく俺は夕方になると明日を確認する。
仕事中であっても17時を過ぎた辺りで休憩を取って席を外しているし、遊んでいる最中でも少し時間を取って明日を確認している。夕方の映画や芝居は観ない様にしている。
俺がいつから夕方になると明日を確認するようになったのかは覚えていない。物心ついた時にはそうしていたのかも知れない。
別に明日を確認してどうする訳でもない。
例えば馬券を当てるだとか試合の結果を知るだとか、そういう事はしない。単に俺が五体満足に生きていて、仕事を馘にならず、メシを喰えていると言う事を確認するのだ。
今日と同じ明日がある、些細だけれど重要な事があればそれでいい。
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