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リモートワークで新人が会社の一員になるのは難しいのではないか?

私は大学で組織論を学んできました。
会社=組織なので、組織論は会社をどうやって作っていくかを考えるときにとても役立ちます

「組織の作り方」や「組織にいる人の行動」が研究されていて、人の感情を理論的に説明しているんです。
ね、組織論ってすごく面白くないですか?
こう思うのは私だけかな?笑

さてさて、最近私たちSVでは「アフターコロナを意識して起業しろ!」と発信しているのですが、
私も私だからこそ考えられる「アフターコロナの世界」を発信していこうかなと思い、『組織をアフターコロナで考える』というテーマでnoteを書いていきたいと思います!

できるだけわかりやすく組織論を解説しながら進めていこうと思うので、組織論を学んだことない!という方にも参考になれば嬉しいです。

※ここでいう「ビフォーコロナ」は組織論で一般的に考えられている内容を指します!

まずは「組織社会化」をアフターコロナで考えていこうと思います!

≪ 組織社会化とは ≫
一般的には「組織への参加者が組織の一員になるために組織の規範・価値・行動様式を受け入れ、職務遂行に必要な技能を習得し、組織に適応していく過程」と定義されます。

簡単に言うと、新人が会社に馴染んでいく過程のことです。
新卒が会社の一員になっていくことを想像して読んでください!

アフターコロナの働き方予想

コロナウイルス感染拡大の影響で、社会的にリモートワークが求められています。

外出自粛を求められる前「リモートワークなんてできるわけない!」と信じ込んでいた会社でも、社員の健康と会社存続のために無理やりリモートワークを始めていたりするのではないでしょうか。
私は一度リモートワークに挑戦した会社なら今後もリモートワークの選択肢をとれるようになると考えています。

なぜなら、リモートワークはうまく導入することができれば、生産効率はオフィスワークの時とそんなに変わらないんじゃないかなと思うからです。
なんなら今までの非効率な働き方がどんどん見直されて、はんこ文化がなくなったり、決裁に並ぶ文化がなくなったり、長い会議がなくなったり、必要ない日本企業の文化は淘汰されていくでしょう。

最初はうまく運用できないとしても、コロナの影響は短くないので、自粛が続けば1年後にはうまく導入が進んでいくと思います。

だって対応できなかったら一年間非効率のまま仕事することになるんですよ⁉
リモートワーク導入に対応するか、会社として弱体化していくかのどちらかです。(強気)


そして、感染力がおさまったアフターコロナの世界で働き方はどうなるのか。

一度リモートワークが有効だとわかれば、会社はいろんな労働力を選べるようになります。
例えば子育て中の女性などの時短勤務、地方在住者でも正社員として雇うことができるだけでなく、勤務時間を選べるようになれば柔軟な働き方を求めて応募者が増えたり、離職者も減ることが考えられます。
海外や憧れの場所に住みながら働くことだってできちゃいます!

サイボウズは離職率28%から、「100人いれば100通りの働き方がある」という考えを取り入れたことで離職率が4%に下がったそうです。

つまり、リモートワークで効率的に働けるようになった会社がわざわざリモートワークを禁止することはないでしょう。

これからはリモートワーク前提の未来を考えてみませんか?


【組織社会化】はなぜ必要なの?

さてさて、今回のテーマに入っていこうと思います!

まず「組織社会化」はなぜ必要なのか。次の3点で説明されます。

①新人は放っておいても仕事ができるようにはならないから

新人といえども会社の戦力であると同時に、コストをかけて雇っている人員です。
ただ、新卒は学生のままでは仕事ができません。
社会に出て働くには、社会人としての人との関わり方・ビジネスマナー・商品知識・ツールの使い方など、最低限の知識が必要になります。

②既存メンバーの仕事をスムーズに進めるため

何かしら新人に仕事を任せるにしても「返ってきた仕事がミスだらけ…」「一から修正が必要…」という状況だと、結局時間がかかり、任せる側にデメリットしか生みません。
仕事の基礎知識はもちろんですが、仕事を受けるときにどこまで理解をしたらいいのか、どう質問をしたらいいのかということも把握しておく必要があるでしょう。

③職場の意思疎通をスムーズにするため

組織の中に一定期間所属していると、その会社ならではの考え方や用語があることを忘れてしまいがちですが、新人はその文化が全くわかりません。

社内用語や、どの仕事をするときに何を使うのかだけでなく、社内の誰がどの役割を担っているのか、どの仕事を誰に頼めばいいのかといった社内政治を理解する必要もあります。

そして最終的には新人自身が社内でどんな役割を担うのかを理解できれば、会社にとって大きな戦力になります!


ビフォーコロナの社会化プロセス

では、新人が会社に馴染むにはどう学習すればいいのでしょうか。

(1)伝聞・指導による学習

座学の研修で仕事そのものの知識や専門用語を教わったり、OJTなどで先輩社員から直接聞いて学ぶ方法です。

(2)経験による学習

実際に仕事を経験することで学んでいく方法です。失敗しても学べることはたくさんあります。

(3)観察による学習

仕事をしている先輩や上司の姿を見て学ぶ方法です。


アフターコロナの社会化プロセス

ではアフターコロナで新人が会社に馴染むための学習プロセスはどう変化していくでしょうか?(やっと本題です…笑)

(1)伝聞・指導による学習

すでにある研修をオンラインに適応させていく必要があります。
zoomでの研修方法をいくつか公開している人事の方もいらっしゃいました!ありがたい…!

しかし、リモートワークは先輩からのアドバイスがもらいにくい環境です。
新人の働きぶりが目に見えにくいし、間違った行動も成果を見るまで気づけません。
先輩・上司の方はオフライン以上に新人とのコミュニケーションを意識したほうがいいかもしれませんね。

(2)経験による学習

先輩のオンライン会議に同席したり、マニュアルにそって書類を作成するなど、先輩・上司がオンラインでできる仕事は新人も経験していくことが可能です。

また、新人が安心して挑戦できる環境を作るには、会社として万が一のリスクを避けるためにも、あらかじめ教えておくべき事項をマニュアル化しておくことや、仕事を振った後に適宜報告をする仕組みづくりが必要です。

ただ、リモートワークを導入したばかりだと、先輩や上司自身が慣れていないので的確な指示・指導はまだできないかもしれませんが、仕事のプロセスを理解している先輩・上司と環境変化に強い若者(新人)の知識を掛け合わせることでうまくリモートワークへの移行が進むかもしれませんね!

(3)観察による学習

これが難しいのではないでしょうか。
なかなか新人が先輩や上司を見ながら学ぶことはできません。

観察による学習で得られるのが役職以外の「社内政治」や社内にしかない「組織文化」の知識。言語化できない部分をどう学び取っていけばいいのかが課題です。

アフターコロナであれば定期的なオフラインミーティングの設定や、オフラインでの親睦会などを開催することもできるかもしれませんが…。


最後に

フルリモートの環境下で新人を受け入れていくには改めて教育環境を見直していく必要性がありそうです。

でもじつは、ここで紹介した組織社会化の話はほんの一部。

先輩・上司に注目した「社会化エージェント」や、入社前の採用プロセスが社会化に関係しているという観点の「予期的社会化」、転職してきたメンバーに焦点を当てた「組織再社会化」など、いろんな研究があります!

気になる方はぜひ調べてみてください!
余裕があればまた取り扱って考えてみようとも思ってます~
また、もしわからないことがあればお気軽にDMなどで質問していただいても構いません!いろんな考え方がありますので、ぜひ討論したいです!

次回はリモート×インターンについて書きます!!!


(余談)
私的に気になっているのはリモートワークによるビジネスマナーの変化です。上司を敬っていることを示すだけがマナーではないと思うので…。
この際なので効率的な行動が全員のためを想った行動としてマナーになってほしいな。
オンラインの社内コミュニケーションの頻度は増えてくるのでチャットツールでも「お疲れ様です」という一言をわざわざ入れなくていいのではないかなと思うし、
ビデオ会議で退出するときに「先輩が退出することを見守ってから退出する」とかいうマナーを聞きましたが無駄だし、時短でホストが終わったら全員一度に退出させたらいいと思います(笑)

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