リーダーシップとは~リーダシップ理論の始まりから見ていく~
経営について学んでいます。今回はリーダーシップについて。企業において求められているリーダーシップ。リーダーシップが重要であるとされたのはいつからでしょうか。リーダーシップ論の始まりから順にまとめていきます。
リーダーシップ理論の始まり
リーダーが持つ力とは何があるでしょう。組織から公式に与えられる勢力には、合法(正当)勢力、報酬勢力があります。合法勢力とはリーダーが組織から付与される力は、組織から与えられた権限から生じるパワー。強制勢力とは従わない場合に罰則を与える能力から生じるパワーです。
個人的努力や資質から生じる勢力には専門勢力、準拠勢力があります。専門勢力とは専門的知識や技術から生じるパワーです。準拠勢力とは個人的魅力や一体感から生じるパワーです。
ハーバードビジネススクールの名誉教授であるコッターはリーダーシップは変革を推し進める機能、マネジメントは効率的に組織を運営する機能というように、リーダーシップとマネジメントの違いについてを主張しました。マネジメントについて重視されていた時代、変革の時代においてリーダーシップの必要性を強く説きました。従来のマネジメントを否定しているわけではなく、マネジメントもリーダーシップも共に必要である、としています。リーダーシップ理論の始まりはここからとなります。
リーダーシップ理論の変革
リーダーシップは才能であるという資質特性論。リーダーシップは天性的なもので生まれつき備え付けているといった考えに基づいて研究されてきましたが、個人特性を解明しようとしましたが統一見解がみられませんでした。そのため、リーダーは生まれつき備えているのではなく、誰もが身につけられるといった仮説が立つことへ繋がりました。リーダーシップ研究は特性理論から行動理論へ移行していきます。そしてその後、唯一最善の普遍的なリーダーシップスタイルは存在しないとしたコンティンジェンシー理論へと変わります。
レヴィンのリーダーシップ類型論
専制型リーダーシップ、民主型リーダーシップ、放任型リーダーシップに分類されます。レヴィンは、民主型リーダーシップが、最も有効である、としています。専制型は独裁的、満足度や成果が下がります。民主型は、専制型リーダーシップより生産性が低いが長期的にはいい成果に繋がります。最も望ましい形です。放任型は、組織のまとまりがなく個人主義、質・量と共に最低な結果になります。
リッカートのマネジメント・システム論
リッカートのマネジメント・システム論(システム4理論)。独善的専制型、温情的専制型、相談型、集団参加型に類型化されます。これらのうち集団参加型(システムⅣ)が理想だとしました。
独善的専制型システムでは、リーダーは部下を信頼せず意思決定に参加させず、少量のアメとムチで働かせます。温情的専制型システムでは、リーダーは部下をある程度信頼するが、恩着せがましいやり方、アメとムチをほのめかすことで動機づけします。相談型システムでは、リーダーは部下に対して全面的ではありませんが信頼はしている状態、基本的方針や決定権はトップにあるものの、個別問題は武家に権限移譲しています。集団参加型システムでは、リーダーは部下を全面的に信頼し意思決定は広く組織全体で行われます。コミュニケーションは上下だけでなく同僚間といった横でも行われます。
部下を指示し集団的意思決定を行う、高い業績目標を設定することでモチベーションを高め成果に繋げます。連結ピンの役割、上位下位横の集団との連携が大切です。
ブレイクとムートンのマネジリアル・グリッド理論
経営コンサルタントのブレイクとムートンによって提唱されたマネジリアル・グリッド理論。人間に対する関心と業績に関する関心の2軸により、81種類に類型化。これらのうち、人と業績のどちらにも関心を持つ理想型リーダー(9・9型)の業績が最も高いとしました。仕事の成果ばかり人間関係ばかりの追求ではなく、両方へ配慮できるリーダーが必要。
シャートルのオハイオ研究
アメリカのオハイオ州立大学の心理学者シャートルが行ったオハイオ研究。構造づくりと配慮の二つの軸により類型化。構造づくりとは組織が確実な成果を上げられるようにインフラを整備したり、部下の課題管理を徹底すること。配慮とは、部下と相互に信頼しあい、より良い人間関係を維持しようと行動すること。優れたリーダーはこの双方を高度に行うとしました。
三隅二不二(みすみ じゅうじ)のPM理論
日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみ じゅうじ)が提唱したPM理論。P機能(目標達成能力)とM機能(集団維持能力)により、①PM型:P機能もM機能もいずれも高い
②Pm型:P機能は高くM機能は低い
③pM型:P機能は低くM機能は高い
④pm型:P機能もM機能もいずれも低い
に類型化。これらのうち、PM型(P機能、M機能ともに大きい)の生産性が最も高いとしましたとしました。
F.E.フィードラーのリーダーシップ状況適応論
F.E.フィードラーの提唱したリーダーシップ状況適応論。唯一最善のリーダーシップはなく、状況によって適合するとしたコンティンジェンシー理論です。指示や命令を中心とした「仕事中心型」、人間関係の配慮を中心とした「人間関係中心型」に分類。
リーダーが統制しやすい状況の場合は、仕事中心型の方が業績が高い。リーダーが統制しにくい状況の場合も、仕事中心型の方が業績が高い。いずれの場合においてもリーダーの権限が強い仕事中心型の方が業績が高くなります。中間的な場合では、人間関係中心型の方が業績が高くなります。
R.ハウスのパス・ゴール理論
R.ハウスの提唱したパス・ゴール理論(目標・経路理論)。リーダーシップが有効に働くかどうかは、リーダーの行動で部下をいかに動機づけできるかにかかっているとしました。部下がゴールを達成するために、明確なパスを示せるかどうか、が大切としたのです。期待される報酬の価値を明確に経路を示し動機づけをする。部下の能力を高く、参加的なリーダーシップが有効である、としました。
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