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2020年1月の記事一覧

「梅木は論外やわ〜」と息子:コミック「あした死ぬには、」

「梅木は論外やわ〜」と息子:コミック「あした死ぬには、」

う〜ん、どこで紹介されてたのか?
朝日の書評じゃなかったような気がするんだけど…

42歳、独身、映画宣伝会社勤務。
このヒロインを中心に、同級生(パート主婦、引きこもり)のエピソードが挟まれる形式になっています。

割と女性特有な部分(身体的、心理的)なトコロにも踏み込んだ内容になってて、そこら辺は、
「分かるような、分からないような」

でもある年齢を迎えた時に、身体的にも精神的にも「曲がり角

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モラルはない(殺し屋なので):読書録「殺し屋、やってます。」

モラルはない(殺し屋なので):読書録「殺し屋、やってます。」

・殺し屋、やってます。
著者:石持浅海
出版:文春文庫

表の稼業が経営コンサルタントの「殺し屋」が、依頼された案件にある「ちょっとした謎」を解く…と言うスタイルの短編集。(7篇収録。うち1篇は主人公が「殺し屋」じゃないんで、番外編と言ってもいいかも)
「殺し」が扱われてるけど、解く謎は「日常系」ってのが面白いトコです。

「殺し屋」らしく、モラルはありませんw。
仕事を引き受けるにあたっては動機

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まあ、結論は身も蓋も…:読書録「しらふで生きる」

まあ、結論は身も蓋も…:読書録「しらふで生きる」

・しらふで生きる 大酒飲みの決断
著者:町田康
出版:幻冬舎

30年間毎日飲み続けた著者が、4年間禁酒を続けている。
…ことについて語った作品。
結構、評判になってる…ような気がしますw。

ただまあ、肝心の「理由」は「よく分かんない」んですよねぇ。
酔っ払って、高速道路に放り出しちゃったみたいなんでw。
だから「理由」「キッカケ」みたいなものは曖昧なまま、「どう言う考えで続けることができている

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ガツンと、イタイ:マンガ「マイ・ブロークン・マリコ」

ガツンと、イタイ:マンガ「マイ・ブロークン・マリコ」

例によって、朝日新聞の書評欄チョイスw。

中学時代からの親友が死んでしまい、そのショックからヒロインの「暴走」が始まる。
DVクソ親父から遺骨を奪還し、海へ向かう。
…と言うだけの話。
その過程で、ヒロインは親友との「過去」を回顧する。

…痛い。
実に痛い。

壊れてしまっている友人。
時に疎ましく思いながら、共に時間を過ごし、
…でも救えなかった。

救いたかった/救われたかった
支えたかっ

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そういや、感想をアップしてませんでした。:マンガ「空飛ぶくじら」「綿谷さんの友だち」

そういや、感想をアップしてませんでした。:マンガ「空飛ぶくじら」「綿谷さんの友だち」

年末のラジオ(アフター6ジャンクション…だったと思う)で紹介されてたのを何となく覚えてて、購入した2作品。

「空飛ぶくじら」の方は、ちょっとメインストリームとは違う表現で、でも比較的柔らかく読む者の気持ちを刺激してくれる作品。
短編集ですが、1本目(「木村先生」)が結構好き。

「綿谷さんの友だち」は真っ直ぐすぎて、冗談や空気を読むことができない女子高生が主人公の作品。
本人もそのことを苦にして

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話がデカくなってる:読書録「清明 隠蔽捜査8」

話がデカくなってる:読書録「清明 隠蔽捜査8」

・清明 隠蔽捜査8
著者:今野敏
出版:新潮社

隠蔽捜査シリーズ最新作。
2作目から務めていた「大森署長」から、神奈川県警の「刑事部長」に異動しての「新章」開始、となります。

大森署からの異動早々に(当日w)発生した殺人事件を警視庁(伊丹刑事部長)と合同で捜査する…と言うのが基本ストーリー。
警視庁と神奈川県警のライバル意識、キャリアとノンキャリの意識差、警察組織の官僚制…といったシリーズに馴

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シリーズ最終巻…かな?:読書録「風間教場」

シリーズ最終巻…かな?:読書録「風間教場」

・風間教場
著者:長岡弘樹
出版:小学館

ドラマ化された「教場」「教場2」、前日譚の「教場0」に続く、新作。
時系列的には「教場2」のあとになります。

「初の長編」とありますが、確かに全編を通底する「ネタ」はありますが、実質的には今までと同様に「連作短編」(3名ないし4名の研修生に焦点を当てた)と言ってもいいと思います。
視点が「風間」の方にあるのは、確かに目新しいですが。

う〜ん、しかしど

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「薬局調剤医療費」に焦点が当たるかな?:読書録「日本国・不安の研究」

「薬局調剤医療費」に焦点が当たるかな?:読書録「日本国・不安の研究」

・日本国・不安の研究 「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!
著者:猪瀬直樹
出版:PHP

なぜ日本の景気が回復しないのか?世界経済の基調に遅れているのか?

色々な意見にはあるし、それぞれ「然り」とは思うんですが、その中に、
「将来への不安を抱えていて、消費を控えてしまう」
という意見があります。
「年金不足額2000万円」問題なんかの盛り上がりを見ると、一理ある見方かと。
大前研一さんが主張

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(メモ)リベラリズムの終わり:民主党政権

(メモ)リベラリズムの終わり:民主党政権

「リベラリズムの終わり」では<リベラル政党>であった「民主党」の失敗についても論じられています。

「パイの増大」が前提となる「リベラリズム」において、民主党政権は「埋蔵金」を根拠に「まだパイは増やすことができる。従って、弱者への分配もまだ可能だ」との主張をした。
しかしながら結果的に「埋蔵金」を見つけ出すことはできず、分配の原資として最終的には「消費税増税」を主張せざるを得なかった。(「事業

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僕には結構納得できる整理でした:読書録「リベラリズムの終わり」

僕には結構納得できる整理でした:読書録「リベラリズムの終わり」

・リベラリズムの終わり その限界と未来
著者:萱野稔人
出版:幻冬社新書

佐々木俊尚さんのFacebookで紹介されて興味を覚えて。
いやぁ、実に興味深く、自分としても「腑に落ちる」内容でした。

<リベラル派への批判が高まっているのも、根本的にはこのフェアネスをリベラル派が徹底できていないことに理由がある。自分たちは権力に対峙しているのだから、多少の強引さや強権さ、ルール違反、不誠実、まやかし

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本当に大切なことは何か?:読書録「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」

本当に大切なことは何か?:読書録「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」

・ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
著者:幡野広志
出版:ポプラ社

noteで古賀史健さんが紹介してて、衝動的にポチッた作品。

作者の方が写真家「らしい」くらいの知識しかなくて、読み始める前には何となく「メメント・モリ」(藤原新也)っぽいものを印象してたんですが、
…違ってましたw。

「そう言えば、ガンになって、余命何年か…」
と途中で思い出して、じゃあ「病気もの」かと思った

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