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12.意見箱(投書箱)を使って病院を変えていく

■「病院にトイレがない!」
 きょうのカフェはにぎやかだ。ほぼ満席だったが、カウンターにはまだ空席があったので、そこに座り、コーヒーを注文した。時々カウンターで顔を合わせることのあるご婦人が隣に座っていた。どうやら、マスターののぶさんを相手に、通院先の病院の愚痴を言っているようだ。
 「病院にトイレがないなんて、おかしいですよ!」
 いや、トイレが「ない」わけはないだろうが、横で彼女の話を聞いていると、トイレの場所がとてもわかりにくくて、病院の中を歩き回り困ったということらしい。病院へ一言文句を言ってやりたいという口調で息巻いている。
 のぶさんは、私が注文したコーヒーをドリップしつつ、そのご婦人へ話しかけた。
 「その病院には、意見箱や投書箱がおいてありませんでしたか?」
 自分もこれまであまり意識したことはなかったが、ある程度の規模の病院ならば、当たり前のように患者が病院に対して意見をできるようになっているようだ。ホームページから意見を送れる病院もあるらしい。大抵は、管理職もその内容に目を通すらしい。
 のぶさんは、話を続ける。
 「意見がおありなら、ぜひ具体的に書いてあげてください。例えば、何階のどのあたりでトイレを探したのだけれど、どこにも案内の表示が見つからなくて、探して歩き回る羽目になった……とか」
 なるほど。
 「そのうえで、具体的に、どんなふうに改善してほしいのかも提案してみてはいかがでしょうか?」

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読売新聞ヨミドクターでは読みやすさが定評。その連載内容を含め、今日からできるアイデアが満載。もしかしたら、あなたの人生が、生き方が変わるかもしれません。

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