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ワレ定年二突入セリ! 【#3 地元行政のサービスを確認するの巻】

【はじめに】

2024年春、私は37〜8年勤めた会社で定年を迎えた。
55歳の時に会社は定年退職に向けた説明をしてくれた。
あれから5年、私が定年を迎えるにあたり、何を学び、どう考え、どんな決断をしたのか?
いま次々と直面している定年近辺の手続きや決断について、備忘録として記録していこうと思う。
このnoteが私と似た状況の後輩たちにとって、少しでも参考になるように願う。

 2017年のある日、53歳だった私はネットニュースのとある記事に目が止まった。
それは、ある企業が社内で新規ビジネスを募集し、認められると起案者が雇われ社長となって会社を運営。うまく軌道に乗せられれば出向扱いから退社し、自身の会社として経営して行けるという記事だった。
 この制度のメリットは失敗しても帰る場所が用意されている点で、失敗を恐れず思いっきり挑戦できそうだなという印象が強かった。
もちろんこの会社が行おうとしていたビジネスにも大いに興味が湧き、この後、この社長に連絡を取って会いに行く事とにした。
 なぜ会うのかといえば、この時はまだ自分の定年後のためという意識はなく、単純にいまの自分の仕事にも流用できそうな可能性があるビジネスだと思ったからだったが、この時からある程度、自分なりに起業をする場合のシミュレーションという側面からも見るような意識が芽生えてきたと思う。
 
 その社長と面会するひと月ほど前、私が住む地域の行政が発行する市民報に「ビジネスモデル・コンテスト開催」という記事を見つけた。
さっそくそのHPを見ると、行政と地元のまちづくり会社が中心となったコンテストのようで、アイディアを競いつつ、地元で起業できるように補助金や公庫、地元銀行の融資などのサポートも網羅されていた。
 また、行政はSOHOの人を対象にしたシェアオフィスを駅前に開設しており、コンテストの入賞者はそこの利用特典も付いていた。
これまで仕事をする場所として家のまわりに目を向ける事は無かったが、改めて見るとそれなりに環境が整っているんだな〜、だったら個人で起業するのであれば都心にオフィスを構える必要はないのかも…と感じた。
 そんな折、先ほどのネットニュースを見て社長に会いに行く私は、この会社のビジネスを転用したアイディアを思いついていた。そこで社長にそんなアイディアや、地元でこういう環境やコンテストがあると説明すると、社長は「それはいい!ぜひコンテストにエントリーして下さい。そのアイディアだったらきっと優勝できますよ!」と太鼓判を押してもらったので、私もすっかりその気になってしまった。
 そんなのぼせていた私だが、コンテスト用に資料を作ろうとしたがどうにもまとまりがない。
 応募要項には資料の枚数制限などもあり、伝えたいアイディアを効率よく効果的にまとめる必要があるが、作り始めるとどうしてもボリュームが増えてしまう。
 私はECをはじめとした様々なオンラインサービスのローンチなどに携わって来た経験があるので、今回考えたアイディアもどうすれば具体化できるか? フローの建て付けなどはイメージできるのだが、それをどうやってコンテストの規定内の情報量に落とし込んで審査員達に届けられるのか。そして優勝するには何が必要なのかが皆目見当がつかなかった。
パワーポイントで作り始めると全体のフローや、特徴の比較など視覚的な要素が多く、さらにそれを説明する文章加わると情報量がどんどん増えてゆき、自分でも読みづらい資料になる。
 そこで、軽い気持ちで参考になる本を探す事にしたのだが、いくらネットでググってもそれなりのタイトルの本は見つかるが、知りたい事にピッタリくる中身かどうかは判断できない。
街の本屋は遠くはないが、行ったら見つかるという保証も無いので足はどんどん重くなった。
そんな時に近所に図書館があることを思い出した。
ジュンク堂書店などの大型店舗に比べれば1/10もない、学校の図書室程度の規模だったが、なにより徒歩数分なのでまずはここで参考になる本を探すことにした。
ビジネス文章の書き方についての本はそれほど多くなかったが、やはり実際に手に取り、書かれている内容をチェックしながらの本選びはかなりスッキリした。
その中で一番、自分が欲しかった情報が書かれていたのがこの「外資系コンサルが実践する資料作成の基本」である。

  • 内容に合わせたフォント選びのコツ

  • 読みやすくするための紙面の作り方

  • 太字、表、見出し、段落などの狙いと視覚効果

  • 同じような表現の避け方

など、普段目にしている資料や契約書のルールや狙いなどが分かりやすく書かれていてとても参考になった。(それに見つけたのは図書館なので、無料で借りることができた)
 いままで我流で作ってきた資料だが、読んでみると
(1)中身を練る『スケルトン』
(2)読んでわかる・見てわかる資料を作る『ドラフト作成』
(3)魅せる資料に仕上げる『フィックス作成』
と順を追って資料を仕上げていくコツが書かれており、同じデータから作った資料でも、我流と王道での違いが掲載されており、その差は一目瞭然、まさにザ・資料というものだった。

後日、私はこの本を返却しなければならず、どうしても手元に置いておきたかったので改めて購入し、現在も本棚に置いている1冊となった。

この時点で私は53歳。定年まであと2,500日ほどであった。

次回はこの本を参考に作った資料で挑んだビジネスモデル・コンテストについて書きたいたいと思う。

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