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「自分を知る技術」をまとめてみた。

「もう20回目の決算が終わったんだ・・・」

ふと、目にした自分の会社の定時株主総会議事録。

「第20期決算報告書」という文言に目が留まりました。よく考えてみると起業して20年。毎日、会計年度を意識して仕事をしているわけではないので、年月の長さを改めて痛感することになったのです。


1.会社を20年続けて見えたこと

第1期は2000年で僕自身が25歳の時なので、年月が経っていることは当たり前なことかもしれません。それでも、節目には深く深く自分を再度掘り下げることをしてみたくなるものです。感傷的になることも想い出に浸ることもなく、掘り下げて”軸”を確認するのです。

いったい自分の「軸」は何なのか?
ビジネスの「軸」は何なのか?

細かいことは時代の変化に応じて変わっても、「軸」はゆるぎないものがあれば、どんな逆風でも折れず追い風でも調子に乗って鼻先が伸びることもありません。

だからこそ、たまたま目にした「第20期~」という文言をスルーできなかったのです。

会社を20年続けるということは、自分の想いの根幹である「軸」を20回太くすることなのでしょう。

それはやがて社会に具現化されたものが放出され、大きな節目では「20回も社会の誰かの課題を解決するチャンスを天からもらったのだ」、「20年会社を続けることとは社会の課題を解決するための”魔法の杖(軸)”をより強固にする作業でもある」。僕はそんな捉え方をしています。収益やシェア以前のお話ですね。

会社を20年続けてきて見えたものとは、とどのつまり自分の「軸」が何かを知ること。これが全てだということです。

これは何も起業家でなくても、会社員、公務員、その他の職業であっても、みな同じです。先が見えない時代だからこそ、やっぱりこれが全てなんだなと声を大にして言ってみようと思い投稿しました。

2.4つのメガネを掛け替える

僕は、自分やビジネスの「軸」を確認するときに4つの視点で自分を掘り下げてみます。いわば、自分を掘り下げる際に、掘り下げ用の4種類のメガネを毎回掛け替えるイメージです。

カフェにこもってじっと自分と向き合う時間を持ってみる。そして自分の頭や心を整理するという人も多いようです。もちろんこれは私もよくやりますし、大切なことだと思います。ただ、これだけでは客観視できないものです。

社会に存在する以上、自分視点だけでは本当の自分が見えないばかりか、社会と折り合いをつけることも難しくなります。そこで、多面的な切り口をはじめに準備し、新たな自分に気づけるような視点を多く持っておくのです。僕は起業してから、試行錯誤しながら最後は4つの視点に落ち着きました。

その4つとは以下のとおりです。

・自分の内なる声
・他人からの客観的な見え方
・時代の波
・持って生まれた星

3.自分に素直になるには?

まず一つ目の「自分の内なる声」は説明するまでもなく、自分の素直な気持ちです。頭で考えるのではなく、心に浮かんだことをそのままノートに書き殴ってみます。1番最初に思い浮かんだものが、一番素直な自分の「答え」です。2番目に思い浮かぶことは評論家の自分で、1番目の素直な自分を邪魔しにかかりますからね。(そんなこといっても、俺には到底無理だろう・・・みたいな)

書くときは、見た目や誤字脱字を一切気にせずにとにかく「書き殴る」のです。形式ばらずに、でも白紙の前に緊張感が生まれないように「方眼ノート」か「方眼メモ」を。さらに、スラスラとなめらかに筆が進むように、敢えてサインペンを使用するというのが僕のやり方です。

書く際の自問自答の合言葉は「実現性を無視した時に、本当はどうしたい?」という言葉です。この言葉を自分にかけてはじめて世間体、他人の期待、見栄を完全に封印することにもなります。一人っきりになり、お気に入りの道具と、誰の目も気にせず書ける環境をつくることは、本当の自分の軸と出会える”成功の鍵”となります。

4.他人評価が真の自分の姿

2つ目に挙げた「他人からの客観的な見え方」は、いったん自分視点を捨てて客観視するのです。他人は自分をどう見ているか?強みは?弱みは?価値は?と。かつて自分が食えない時代にこんなことを知人に言われたことがあります。「君がいくら頑張っても、しょせん他人の評価が君の価値だよ」と。

当時20代で尖っていた僕は、「他人の評価なんて当てにならないし、他人に左右されるってどうよ?」とイラついていました。でもね、それを聴いた翌日にはこのセリフが頭の中を何度もリピート再生してくるのです。僕は思いなおしました。「これって、本質かもしれない」

冷静に考えてみると当たり前のことなのですが、他人が評価してくれなければ自分の内なる声は社会では価値を持ちません。また、内なる声と外の声の両方を知らずして社会とは折り合いをつけていけないなと。そこから、他人の声を重視するようになったのです。

他人から評価をもらう時のポイントは、偏ったタイプの人からだけフィードバックを受けないことです。仲が良い人、取引先、身内、知人レベルなど4~5タイプの人からフィードバックを受けたほうが多面的に自分の掘り下げが可能になります。僕自身、直接(メールやlineではなく)聴く人数は10人が目安。1週間という期間設定してフィードバックのシャワーを受けるイメージで行います。

最大の注意点は、耳が痛くなる意見も、いったん受け止めてみることです。そして1日以上放ったらかしにして寝かせておきます。その方が冷静に受け止めることができるからです。決して、”へこまず、怒らず、落ち込まず”です。

5.時代に合わせるか、時代を創るか

3つ目に挙げたのは「時代の波」でした。特にビジネスパーソンの場合は、時代の波をどう見極めるのか。これは生命線といっても良いほど大切な”成功の鍵”となります。

今の自分の強みはどのタイミングで開花するのか?やりたいことは時代の波に照らし合わせてみるとマッチするのかどうかです。

たとえば、ビルゲイツが今の時代に生まれたとして、あれほどの成功をおさめることができたかどうかは分かりません。PC普及前夜のあの時代だからこそ大成できたという側面もあることでしょう。

また、よく他人や他社が手掛けた商品がヒットすると、「うちの方がクオリティは高いのに・・・」とヒット商品を皮肉る光景を見ることがあります。仮にクオリティが他より自分の方が勝っていても、タイミングが合わなければヒットはしません。(負け犬の遠吠えというやつです)時代の要請というタイミングだけが偶然ジャストフィットすれば、万が一クオリティが多少低くてもヒットすることはあります(長続きするかどうかは別ですが)。だからこそ、自分の内なる声、他人評価に加えて時代の流れやタイミングも確認しておくことで、自分の価値も見えやすくなります。

難点は、時代の波の見極めが難しいことです。

様々なメソッドがありますが、2つのポイントだけ抑えておけば良いでしょう。一過性の波と底流と。一過性の波とはスポット的に来ている波です。映画、音楽、芸能人、ダイエット方法など何が流行っているのかはメディアを通じて確認ができます。それと自分がどう関連しているのか。
底流とは、一過性に終わらずに時代の流れとして底に流れているベースです。たとえば、フリマアプリ、AI技術、コミュニティなどは底流として今後も大枠としては存在し続けると思われます。

このように時代の波も確認することで、自分は時代に合わせるのか、もしくは時代を創り出すのかの”判断軸”も見えてきます。この時代の波は徹底的にインプットし整理していくことで、”兆し”を感じ取るスタンスから始めてみましょう。

6.占い結果は信じても良いのか?

最後に「持って生まれた星」の話もしておきましょう。一言で言うと、「占い」的な話です。僕は自分の内なる声、他人評価、時代の波に加え、最後のスパイスとして「占い」も”目安”に使うことがあります。

こういう話をすると9割の人が、「占いは当たる?」「当たる占い師がいれば紹介して」と言われます。それは捉え方が間違っていますね。僕の捉え方はこうです。「占い=統計学」「当たるかどうかはどうでもよい。統計学”も”参考材料のパーツとして活用」です。あれだけ古代から占星術が活用されてきたのには何か意味があるのでは?現代でも大統領、王族レベルが活用していますよね。

迷信、おまじない・・・何でもいいと思うのです。どこか占いはロマンがあって楽しいではないですか。当たるかどうかというのは、自分の解釈次第なので一喜一憂してはダメです。「そういう視点もありだね!」と、天にツッコミをするスタンスがちょうど良いのではないでしょうか?笑

良い内容は僕の背中をさらに押し、悪い内容は僕の気を引き締めてくれる存在。これが僕流の正しい占いの活用です。なので、占いは信じるのではなく、”気持ちの蛇口”として活用する道具を手にする行為。これが自分を掘り下げる上でちょうど良い感覚です。

でも、どこか生年月日で持って生まれた”流れ”があるような気は本音ではしています。。。

7.軸を固めるための思考の整理法

さて、これまで主に4つの視点についてお話してきました。

・自分の内なる声
・他人からの客観的な見え方
・時代の波
・持って生まれた星

ここで4つの視点から得た”気づき”をどう整理していくのかというお話をしておきたいと思います。気づきで終わっては自分のことがまだ見えていない状態のため、ここで思考を整理していきます。

僕が良く使うのはキャリア理論では鉄板メソッド「シャインの理論」です。シャインとは人名で、マサチューセッツ工科大学経営大学院 組織心理学 名誉教授のエドガー・シャイン博士(91歳)の理論のことです。シンプルに整理すると以下の3つが要点となります。

① 何をやりたいか? (will)
 : 動機・欲求 → 方向性
② 何が出来るのか? (can)
 : スキル・見識 → 強み
③ 何をなすべきか? (must)
 : 課題・取り組み → 行動

これをトライアングルのように3要素をセパレートして図に書きます。そして前述した4つの視点による気づきを、この3要素で整理していきます。

結局、①自分は何をしたいのか?、②そのために何が出来るのか?、③もしくは何をなすべきか?。ここに、どんどん自分の本音を書き殴っていくことで、自分の軸が見えてきます。どこから書くのが良いのか順番は問いません。もちろん、そもそも「何をやりたいか」が見えないという人も多いことでしょう。その場合は、できることから考えてみる、もしくは目の前のやるべき課題を愚直に追求していく中で本当にやりたいことが見えやすくなるでしょう。

また、やりたいことが明確でも、やるべきことを愚直に積み重ねなければ、できることも増えていきません。すなわち、やりたいことに到達しないということです。今はどれが自分に欠けているのか、どれが明確なのか、とどのつまり自分の軸は何なのか?これら一連の思考の整理を、時間をかけて行う習慣をもつこと

これは、時代に左右されずに軸を強固にしていくために必要なことです。

※ちなみに僕の場合は、こうなりました・・・
 緑色の字の箇所が僕の「軸」です。


8.「じぶん会議」で振り返る習慣

今回は、ふとしたキッカケで「自分を掘り下げる」ということを”軸づくり”を中心にお話してきました。これをお読みになったあなたはどう思いましたか?面倒くさい!のか、やってみよう!なのか、温度差は人それぞれだと思います。ただ、一つ言えることは「やらないよりは、やったほうがいい。確実に1ミリであっても人生は好転し前進するから。やらない手はないよね」というのが、あなたの背中を押すための僕の言葉です。

大きな転機を迎える節目でもいい、1日10分でもいい。自分と向き合い、掘り下げ、軸を確認し、新たな決断と行動の第一歩目を明確にすることは自分の人生を豊かにする肥やしとして必須なのではないか。そんな思いから、長文の投稿にチャレンジしてみました。

こうして自分と向き合い思考を整理するスタイルを「じぶん会議」と名付け、書籍まで出したほど、自分自身もこのスタイルで難局を突破してきました。それが僕の場合は、起業して20期を終えられた一つの証明でもあるのでしょう。

キャリアも事業も、もちろん人生全体も、すべては自分の”軸”から始まる。
もっといえば、”軸”が強固であるほど、迷いや不安もなくなる

僕はそう信じています。

またいつか、お会いしたとき、あなたの軸を聞かせてください。

ここまでお読みいただいたことに感謝します。

ありがとうございました。

著者 : 思考の整理家 鈴木 進介

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株式会社コンパス 代表取締役。人材教育、コンサルタント、著者、”思考の整理家”。著書に『1分で頭の中を片づける技術』など11冊。noteは僕の頭の整理用です。https://www.compas.co.jp/company/president.html

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