RX 1章2話 閃光 ♪Blitzkrieg Bop
いよいよ連載が始まった自作小説「RX」
これは僕が人生で初めて書いた作品であり、
僕の実体験を活かした自伝的小説です‼️
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
少年時代 学校生活 精神病院 そして闇は光へ
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
前回はこちら ↓
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🔴第1章 ドラゴマニア 2話 閃光
①
発作が起きなかった夜遅く。
暗いリビングでテレビをつけると、
広がっていたのは衝撃的な光景。
そして僕の人生は一変した。
筋骨隆々な二人の男たちが、
向かい合い、何やら戦っているようだ。
ロープの柵に囲まれた四角いステージで。
何だろう、これは。
初めて見た世界に、驚きを隠せない。
筋肉の固まりで覆われたハガネの肉体。
きらびやかな見映えのコスチューム。
僕は心をわし掴みにされ、すでに夢中。
アニメの登場人物ではない、
ゲームのキャラクターでもない、
それは本物の人間。
マンガから飛び出してきたような非日常。
すると高くまで跳び上がり、
回転しながらキックを放った。
人間離れした派手な動き、超人的な空中技。
戦隊レンジャーではない、
映画のアクションシーンでもない、
そこは実在の世界。
目にする全てが新鮮で、刺激的だった。
②
僕は何を見ているんだ。
得体の知れない熱狂に、戸惑う。
ようやく答えを見つけた。
画面の右上に"プロレス中継"の文字。
その瞬間、僕はカミナリに打たれた。
脳天に稲妻が落ち、体中に電流が走る感覚。
プロレス。これだ・・・
僕が求めていたものは、これだ。
レスラーがリングでぶつかり合い、
どちらが強いかを決める、激しいバトル。
見ている人を魅了する、華やかなショー。
まさに格闘劇。究極の、
ファイティング・エンターテイメント。
自由、華麗、躍動、迫力。
現実を超えた、夢の空間がそこにあった。
強くなりたいと、
ずっと心に秘めていた思いが爆発。
弱さを嘆き、強さに飢えていた、
僕の願望を叶えてくれるものを見つけた。
レスラーのように強くなりたい。
激情のパンチが、ガラスの心を突き破る。
こうして僕は憧れを抱いた。
プロレスラーという屈強なヒーローに。
③
すると部屋のドアが開き、母が呼ぶ。
「何を見てるの、早く寝なさい」
テレビは真っ黒にかき消された。
僕は一気に現実へ引き戻され、
いつも通りに布団に入るが、
いつもとは違い、何かがおかしい。
興奮が冷めず、収まらない余韻。
心臓が大きく速く、胸を叩き鳴らし、
体がまだ熱くなっているのを感じた。
きっと僕は夢を見ているんだ。
目が開いたまま、天井を見上げて、
今も寝静まらない夢の中にいる。
まばゆい一点の明かり。
するどく ひらめいた光源が、
ひとみに焼き付き、まぶたの裏側には残像。
女の子より力が弱い僕でも、
もしかしたら、強くなれるかもしれない。
プロレスと出合い、運命は動き出した。
(つづく)
♪イメージソング
僕自身 10才頃にドラゴンゲートのプロレスを見て衝撃を受け、一気にハマりました。
とんでもなくかっこよかった!!
僕にとってドラゲーのレスラーたちは、仮面ライダーやウルトラマンのような憧れの存在でした。
🔴次回は 1章 3話 幻影 です❤️🔥
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