RX 【第1章 ドラゴマニア】 1話 暗雲 ♪Under Pressure
本日から、自作小説「RX」連載開始‼️
これは僕の実体験を活かした自伝的小説です
(人生で初めて書いた作品なので、
文章や表現力が拙いと思います。ご容赦を...)
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
少年時代 学校生活 精神病院 そして闇は光へ
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
前回はこちら ↓
それでは本編の始まりです!!
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🔴第1章 ドラゴマニア 1話 暗雲
①
空一面にどんより広がる重たい雨雲。
視界が暗く濁った、灰色の少年時代。
病弱だった僕は子供の頃から、
喘息(ぜんそく)に苦しんでいた。
気管の炎症による呼吸困難の病気で、
傷ついたノドの粘膜が、気道をふさぐ。
運動後や夜には発作(ほっさ)が起き、
息ができないほど せきこんでしまう。
毎晩、苦しくて眠れない。
大丈夫、大丈夫、とささやく母が、
一晩中、僕の背中を懸命にさすり続けた。
横を向かないと息が吸えず、
負担のかかる体勢で、腕がしびれる。
次の日は全身が筋肉痛で動けない。
すぐに夜がやって来た。
呼吸できない苦しさに、胸をかきむしる。
爪を立てて引っかくと、
肌はボロボロに赤くただれていた。
症状がさらに悪化しては、
急いで夜間病院へ連れて行かれた。
医療用具を口にくわえさせられ、
苦い空気が、肺へ送りこまれる。
呼吸という当たり前の行為も、
僕には精一杯で、命がけの毎日だった。
②
そんな体調では小学校でも大変だ。
記憶に刻みこまれていくトラウマ。
僕は小さな吸入器を持ち歩き、
決まった時間に薬を吸引していた。
吸入器から笛のような高い音が鳴り響く。
クラスの悪ガキたちが面白がり、
僕は笑いもの。からかいの標的にされた。
せきこむ僕をののしる。
「きたねえ、バイキン」
せきを我慢すれば苦しみが倍増して、
もっと激しくせき、手汗が止まらない。
顔に血がのぼり、
窒息しかける僕を見て笑う集団。
今度は、吸入器を乱暴に取り上げ、
キャッチボールみたいに投げ合い始めた。
背が小さい僕は、
取り返そうとジャンプしても届かず、
しばらく動き回っていると発作が起きた。
真下に倒れこみ、うずくまって せきこむ。
体力が尽き果て、もう一歩も動けない。
取り囲む連中の笑い声が、遠くへ聞こえる。
このまま死ぬかもしれない。
初めて死を間近に感じた体験だった。
③
保健室のベッドから、窓の外を見つめる。
運動場で遊ぶみんなの笑顔、
はしゃぎ声、元気に体を動かす姿。
それをただ眺めることしかできない。
どうして僕は病気なんだろう、
なんでこんなに体が弱いんだろう。
悲しみとともに涙があふれ出た。
また夜が、また朝が、追いかけて来る。
この苦痛はどこまで続くのか。
逃れられない魔の手に、恐怖を覚えた。
目をつぶり、手を合わせ、
強くなれますように、神様にお願いする。
強くなれますように、何度も天に祈った。
強くなれますように・・・
10才のとき、転機が訪れた。
(つづく)
♪イメージソング
このように、作品の雰囲気に合うと思った音楽を、イメージソングとしてご紹介します🎵
(僕が10代の頃に大好きだった曲中心です!)
🔴次回は 1章 2話 閃光 です❤️🔥
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