RX 4章4話 破片 ♪MY FOOLISH HEART
暗かった当時の気持ちや考え、
そして実際に悩んでいた困りごと等をかなり赤裸々に書きました。少しでも、誰かの、何かの参考になれたらいいなと思っています。
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
前回はこちら ↓
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🔵第4章 ライムライト 4話 破片
①
退廃的。暗い部屋に漂う、よどんだ陰気。
慢性的。うつ状態が長く、心模様は雨空。
感傷的。悲しさに覆われ、止めどない涙。
片目が割れたメガネからこぼれ落ち、にじむ
小さな文字で埋めつくされたページ。
"
何もかも嫌で、面倒で、バカバカしい
だけど全てが、どうでもよくはない
あの時、死んでおけばと後悔に苦しむ
死にたいじゃなく、
死ななければ・・・
という強迫観念
考えすぎ、思いこみだと、
わかっていても、何をしていても、
自殺の二文字に取り付かれている
僕の使命は、ここから消えること
生きていても迷惑をかけ続けるだけ
死から逃げている自分が許せない
破滅へまっしぐら
カレンダーを見ても明日さえ見通せず
僕はどうなるのか、また暴れ狂うのか
"
読み終えると、一息つき、
書き留めてきたノートをゴミ箱へ葬った。
②
父の言葉がきっかけで、僕の心境は変化。
かつて大好きだったプロレスへ、
徐々に興味を取り戻していく。
故障したテレビで試合を見る。
再燃。空っぽの心に蓄えられるエネルギー。
机の引き出しに眠っている、
遠い昔にダンボールで手作りした、
壊れかけのチャンピオンベルト。
色あせた、セピア調の原風景。
熱烈なプロレス少年の原体験。
追憶。呼び覚まされる、たくさんの思い出。
破れた夢の欠けらを、
一つずつ拾い集め、つなぎ合わせる。
懐かしみ、感慨に浸っていると宣伝が流れた。
どうやら今週、
大規模なプロレスの大会が行われるようだ。
現状打破の一手。
自分を変えたければ、行動を起こせ。
そんなお告げに導かれ、思い立つ。
絶対、観に行くべきだ。
僕は急いで買い求めたチケットに、
大きな期待を託し、長旅へ出発した。
③
久々の外出。にぎやかな街の明かり。
誰にも見られたくなくて、
帽子を深く被り、うつむき歩く僕。
すれ違う人々が向けてくる奇異の目を避けて
路地に隠れる、存在しちゃいけない邪魔者。
「周りを見ろ、空気を読め、普通にしろ」
散々聞かされたセリフが、僕を神経質にさせ
今では誰ひとり信じられない。自分すらも。
人目を気にしすぎ、ねじ曲がり、ひねくれて
タチが悪い、自意識過剰になってしまった。
辺りの会話は全て、自分事に変換される。
笑い声。みんな僕を笑う。
グチ話。みんな僕を嫌う。
周囲への引け目は、生きることへの負い目。
心の中で謝り続けた。
すみません、すみません。
こんな自分が生きていて。
雑踏に追われ、申し訳なさに囲まれながらも
どうにかターミナルに辿り着く。
バス停のベンチ。時刻表の前で、
大事そうにリュックを抱える。
そして、やって来た一台に乗りこんだ。
(つづく)
♪イメージソング
本文でも書きましたが、
僕は外出するとき帽子が不可欠です🧢
帽子なしで外に出る勇気がありません。
自分は生きてちゃいけないと思ってしまう。
それが今現在も尾を引いている症状です…
自分という存在に自信が持てず、恥ずかしさ、惨めな気持ちがいつまでも拭えない。
僕が生きてる姿を見られたくないから、今日も帽子で顔を隠し、下を向いて歩いてます。
🔵次回は 4章 5話 劇的
9/17(日)に投稿予定です🧢
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ご通読ありがとうございました😊
来週も、お待ちしております!🙌
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