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RX 【第5章 ソーアライブ】 1話 勇胆 ♪Greenlight


今週から5章!もう最終章です🥹

皆さんが少しでも主人公からエネルギーをもらって、元気になって頂けたら嬉しいです🍀


あらすじ

悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
少年時代 学校生活 精神病院 そして闇は光へ
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
5章 再びレスラーの夢へ、デビューを目指す


前回はこちら ↓



RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟢第5章 ソーアライブ 1話 勇胆




本格的にレスラーを志した僕は、

 筋トレ再開。一からきたえ直す。


何にも手つかずだった以前とは別人で、

 体づくりに専念し、空白期間を挽回。


食べるのも努力だ。

大量に買い出した格安の肉や即席めん。

 そして不味いプロテインで栄養補給。


食欲がなく激減していた体重は、

 一日5食のおかげで みるみる増量。

サイズが元に戻り、服が うなずいた。


地道なトレーニングをこなす毎日、

 ひたむきに疲労と回復を繰り返す。



器具が無造作に置かれた、公共の運動ジム。

茶色にさびたバーベルを持ち上げ、

 狭い一室に、金属音が響き渡る。


回数や重量を増やし、徹底的に追いこむ。

しかし力を出し切っても、

コンプレックスは消えず、尽きない不安。


恵まれた体格も、スポーツの実績もない僕が

はたしてレスラーになれるのか。


なれるだろう。

 強気になり、何でもできそうな無敵感。

いや無理だろ。

 弱気に戻り、何もできっこない無力感。


根拠のない確信。それを打ち消す不信。

 幻想と現実を振り子のように行き来。


そのとき偶然、目に飛びこんだのは、

くすんだ壁に貼ってある、

 一枚のプロレスのポスター。


顔も名前も知らない選手ばかり。

 だが僕の目線は引き寄せられた。


"練習生募集 身長・体重制限なし"


やる気さえあれば、君もレスラーになれる。

そんな文言に惹かれ、スイッチが入った僕。


才能や素質が皆無でも、それを言い訳にせず

何がなんでも、何としてでも諦めたくない。


考えだしたらキリがないな。

 とにかく見に行ってみよう。



会場は小さな体育館。観客は数百人だけ。

僕が知るプロレスと大違いのスケール感。


間近に置かれてあるリング。

 熱心に見入っているファン。

試合は白熱して大盛り上がり。


ポスターの真ん中に写っていたレスラーが、

大声を出してパワフルなファイトを見せる。


丸太みたいな腕を振り回し、相手をなぎ倒す。

リングが激しく揺れ、大きな衝撃音。

 凄まじい迫力を至近距離で味わう。


大会後、その選手が目の前を通った。

体の厚みが尋常じゃなく、

 こわばる僕は声をかけれずにいる。


何をためらっているんだ。

 足踏みだけでは進まない。

時には大胆にチャレンジせよ。

今しかないぞ・・・


 タイミングを逃すな。チャンスを掴め。


踏み出そう、一歩前へ。

勇気を振りしぼり、意を決して入門を志願。


プロレスラーになりたいです。

するどい眼光で、みなぎる熱意をぶつけた。


「おう、よろしくな!」

あっさり心良いOKをもらうと、

 がっちり力強い握手を交わした。


弟子入りを果たし、晴れて僕は練習生に。

この選手が師匠となり、訓練が始まった。


(つづく)


♪イメージソング

ピットブル、フロー・ライダー、
&ランチマネー・ルイス「グリーンライト」

プロレス界最大の祭典、WWE レッスルマニア
その2017年大会の公式テーマソングに使われた曲です。とてもノリがよく、
アクセルを踏み込みたくなりますね!
🚥Greenlight=青信号だけに笑💨


"今しかないぞ!"というフレーズは、
昔、長州力がアントニオ猪木に宣戦布告したとき、仲間たちに呼びかけた言葉です🎤
僕は当時を知りませんが、この名言(?)に多くのファンが勇気をもらったことでしょう…

試合だけでなく、言葉や信念、そして生き様で人の心を動かすのがプロのレスラー
主人公はレスラーになれるのか?注目です👀



🟢次回は 5章 2話 修錬
10/1(日)に投稿予定です🍀


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ご通読ありがとうございました👏
残り少ないRX、
ぜひ最後までお見届けください🎵

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