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RX 5章2話 修錬 ♪WILL


本日はアントニオ猪木さんの一周忌ですね🧣
プロレスとは何だろう。この話や5章を通して
僕なりのプロレス観や思想を伝えています。


あらすじ

悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
5章 再びレスラーの夢へ、デビューを目指す


前回はこちら ↓



RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟢第5章 ソーアライブ 2話 修錬




伸びきった髪をバリカンで刈る。

さっぱりしたボウズ頭になり、

 生まれ変わったような爽快感。


気合いが入り、覚悟を定める。

 準備はいいか。さあ行くぞ。

電車を乗り継ぎ、長時間かけて初練習へ。


場所は 古びたビルの地下。

プロレスのリングが大きく構える、

 物々しい空間に僕は気圧された。


早速 師匠の号令に合わせ、

 様々な体力運動を始める。


何十回、何百回と半端ない量が課されていき

呼吸が上がり、筋肉がしびれ、

 体中に膨れあがる絶痛絶苦。


手足が震えて力が入らない僕へ、

 師匠は鬼の形相で熱血指導する。

「全然ダメだ、しっかりやれ!」


しかし早くも限界を迎え、肉体が悲鳴をあげ

コンクリートの地べたに潰れてしまった。



月日を重ね、基礎体力が身についた僕は、

ようやくリングに上がることを許された。


だが本当の試練はここから。

 初めて立ったリングの感触。


まず 張ってあるロープの固さに驚く。

柔らかそうに見えるが、

 なんと中身は鋼鉄のワイヤー。


リング内をダッシュで往復しろと言われ、

ロープに当たるたびに鉄の芯が、

背中や脇腹をえぐり、骨まで痛みが響く。


平気で走り続けるレスラーの強靭ぶりに、

改めて驚かされ、

 プロの世界の厳しさを思い知った。


さらに練習場は、むせ返るほどの猛暑。

Tシャツやタオルを絞ると滝の汗が。

 熱中症と貧血で目まい、くらくらだ。


すぐに水筒が空になり、

 汚いトイレの水道水でしのぐ。

これを飲まなきゃ死んでしまう・・・



想像を絶するハードな鍛錬。

日に日に過酷さが増し、さながら修行僧の僕。



練習恐怖症になりそうだ。

 師匠の車の音がしただけで縮みあがり、

血の気が引く。今日はどんな地獄だろう。


後ろに倒れて身を守る"受け身"の特訓。

柔道でも習ったが、

 プロレスでは より技術が求められる。


どんな荒技にも耐えうる強度を培うため、

ひたすら攻撃を受けまくる、まさに洗礼。


巨漢レスラーに体当たりで ふっ飛ばされ、

頭を打ちつけ、脳が揺れて意識もうろう。


高く担がれては、固いマットに落とされ、

背中への衝撃が内臓に達し、息が詰まる。


どれもプロレスの基本技だが、

素人にとっては大ダメージを負うほど危険。


不慣れな動作に悪戦苦闘し あわや悶絶。

涙目になり、口から液体が滴り落ちる。

 ひどい時はバケツに血ヘドを吐いた。


疲れきったアザだらけの体をひきずり帰る。

絶えず、全身には焼き刺さるような筋肉痛。


きつすぎる、もうムリ、辞めたい。

 心が折れかけ、ギブアップ寸前。でも、


くじけるな、踏ん張れ、お前ならできる。

無意識に僕は、

 電車の窓に映った自分を励ましていた。


(つづく)


♪イメージソング

エッジ・プレイヤー「ウィル」
僕が大好きな音楽グループ SOUL'd OUTのメンバーが立ち上げたバンドの代表曲の一つ。
何かにトライするとき、背中を押してくれる熱いメッセージソングです🥊


実は僕は10代の後半に、主人公と同じくレスラーになりたくて、地元の小さなプロレス団体で練習させていただいた経験があります。

残念ながら途中で精神疾患が悪化して、夢は叶いませんでしたが、練習生活で教わったこと、学んだこと、そして実際にこの身で体感したことは、何ものにも代え難い、とても大切な体験でした。

本当にロープはめちゃくちゃ固くて痛いんですよ‼️慣れるまで背中がアザだらけ…
体中の痛み、苦しみなんて日常茶飯事…😨
これも全て実際に経験したからこそ、
貴重な体験談として語れるのだと思います。



🟢次回は 5章 3話 強心
10/8(日)に投稿予定です🍀


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ご通読ありがとうございました!😊
猪木さんは多くの名言を残されましたが、
その中でも特に好きなのは『子供に夢を持たせたければ、大人こそ夢を持て』です🔥


【予告】第二弾

12月3日、自作小説 RX 💀
"メインイベント"開始…

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