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「普通」にあるものは、かけがえのない大切なもの。

そこに「ある」って当たり前じゃない。
疲れたからそこのスタバで休もう、も普通じゃない。

私は北海道の田舎町に住んでいて、小さな学校の小学校の先生として勤務している。

生まれて初めての引越しで、一人暮らしで、田舎暮らしを今年から始めた。

私の地元は都会のすぐ側にあるベッドタウンの街。
だから買い物に困ることもないし、お店がそこら中にあるのも普通。

欲しいものがあれば都会に行けば何だって手に入る。
そんな便利さが「普通」だと思ってた。

でもそんな「普通」は今年1年であっという間に壊された。

 近くにスーパーやドラッグストアはあれど、ユニクロに行きたい、無印に行きたい、マックに行きたいと思っても、車で1時間以上走らないとどれも手に入らなかった。

え、嘘でしょ?と思った。
そんなの近くにどこでもあるでしょ?
え、ないの?
イオンすら車で1時間半?

いやいや待て待て。ありえない。

でも、ここに住んでる人はこれが「普通」なんだ。

別にイオン行くのに車で1時間半移動することを当たり前だと思ってる。
遠いとか別に思わない。
だってそれが「普通」だから。

「普通」って一体何なんだ?
同じ日本に住んでいても場所や住む環境によってこんなにも変わるものなのか?

嘘でしょ…。もはやカルチャーショック。
日本語が通じるだけの外国に来たみたいだ。
きっと世界の公用語が日本語だったらこんな感じなんだろうな。

それくらい、北海道の辺鄙な街は私の地元と環境が大きく違った。

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私は学校の先生をしているけれど、今は適応障害と診断されて、2ヶ月ほどお休みをもらう。

今ちょうど地元に向けて戻っている最中。
ついさっき通り道のイオンに寄った。

イオンの中に無印があった。
今まで無印なんかそこら中にあったから、これまでの私なら「あー無印ね」くらいで素通りしてたと思う。

でも「普通」が覆られた今の私は違った。
「あ!無印だ!すごいここにあるんだ!」
すっごく嬉しかった。
店内を見て回ったら、暖かそうな可愛いセーターやタオル、オシャレな化粧水、美味しそうなカレーやパスタが売っていた。

無印ってこんなにもいろいろあるんだ。
知らなかった。
待ってめちゃくちゃいいじゃん、これ。

大して気にも止めてなかった無印。そこにあるのが普通すぎて今まで全然行ったことがなかった。

よく見たら、こんなにも素敵なものがたくさん「ある」んじゃないか。

私はこれまでずっと、こんないいものを見落としていたのか。

そうか。
何でもそうだけど、そこにあるのが「普通」だと何も感じることなくスルーしてしまうのか。

都会の便利さを「普通」だと思ってたから、何でもあるのが「普通」だと思ってたから、反対にその便利の良さをスルーしてしまってたんじゃないか?

もっといえば、自分のそばに普通にいる家族、友達。
みんな当たり前のようにいてくれるけど、本当は奇跡のようなことなんじゃないか?

そんなの「普通」だから、と思っていると、目の前にある大切なものに気づけなくなってしまうことに気づいた。

今年1年、私は自分のやりたいことを達成するために、自分の周りにある環境をガラリと変えた。

そんなチャレンジが、今思わぬ形で大切なことに気づかせてくれた。

明日地元に到着の予定だ。
家族が私を迎えに来てくれる。
会ったら、「いつもありがとう」と言葉にして感謝を伝えようと思う。

だって、家族がいるのってきっと「普通」じゃないんだからね。

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