ハグ・マイベア。
ぬいぐるみを抱きしめてみればわかるさ
どんな子でもいいんだ
ひとつくらいクローゼットの奥にいるだろう
薄汚れた顔の幼なじみのテディベア
埃っぽい再会をして
ぎゅうっと抱きしめるんだ
抱きしめているとき
きみはテディベアから愛されている
しっかりとそれがわかると思う
やわらかいおなかをなでて
ほおずりをしていると
体のくっついているところが温かくなってくる
きみの悲しみも
よろこびも
不安もすべて
プラスチックな瞳で優しく見つめている
きみの声に耳を澄まして
テディベアはからだの綿の中に
きみを貯めてゆく
夏の夜
鼻のあたまに汗をかいて眠るきみの腕のなかで
テディベアは同じ夢をみていたんだ
抱きしめられるがわより
抱きしめる方が
たくさんの愛をもらってるってことに
気づくだろう
テディベアは抱きしめられながら
きみを守ってる
明日のきみが
その腕でまた抱きしめてくれるのを
待っていたんだよ
それは本当のこと
ダンボール箱の中に入れられる日がきても
きみとの思い出をたくさん食べて
おなかのなかに貯めてあるから
大丈夫だよ
きみがどれほどテディベアに
愛されていたか
覚えていてほしい
愛してたよテディベア
愛してくれてありがとう
癒してくれてありがとう
文章を書いて生きていきたい。 ✳︎ 紙媒体の本を創りたい。という目標があります。