シェア
子どもの頃は夜に外を歩くことなんて ほぼなかったのだった。 夕焼けの色がさめて、 空が群青…
夕餉の始まりにおみそ汁をひとくち啜ると、 ああ、と声が漏れてしまうのだった。 今日も一日お…
自分の目で見ることができる いちばん遠い場所へ、 行ってみたいと思っていた。 電車の窓から…
風になびくものが好きだ。 それらを眺めていると、心がふわりとしてくる。 風をはらんで膨らむ…
走れば追いつけると思っていた。 あの大きな積雲のかたまりの下に入りたい。 雲の影が遠ざかっ…
「雨、降っているのですね。」 偶然訪れたショップで買い物をした日。 レジ前で私が差し出し…
出かける場所なんて たいしてありはしないのだけれど、 春感に鼻腔をくすぐられると、 新しい気持ちに合う 新しい服がほしくなったりする。 お洒落をして煌びやかな街へ繰り出すとか、 久しぶりに会う友達とランチを食べに行くとか、 あるいははじめましての人を交えて みんなで北鎌倉あたりを散策したりとか。 そんなこととは無縁の生活を強いられて、 しかもすっかりそれに 慣らされてしまっているというのに。 とりあえずは シフォンのロングスカートのような、 風に靡いて翻るものを身につけた
好きな色くらい、自分で決めさせて。 今年はこの色が流行りますよとか、 みんながこの色の服を…