見出し画像

【ジュビロ磐田⚽️】【雑感】横内監督と、黒田監督の違いは何か。

リーグ中断中の良い機会だったので、ずっと思っていたことをちょっと書いてみることにします。


ちなみに、
今回のnoteは決して2つを比べてどちらが良いとか悪いとか、そういった趣旨のものではございません。

2023年にJ監督初挑戦ながら昇格を決めた両指揮官について。その特徴を、やや冷静に紐解いてみます。



ご興味ある方、ぜひお付き合いいただければ。



■確固たる「型」がある黒田監督の場合

まずはこちらから。

黒田さんのやり方ってよーく観察してみると、現代のビジネス誌なんかがこぞって推奨するやり方そのものなんですよね。

”組織の目標”ってのはどこでも作ると思うんですけど、
まぁほとんどの会社および上司ってのは目標立ててそれで終わりですよ。

で、
酷い組織になると「やれ!」とか「なぜ出来ない!」って言うだけで全部現場に押し付ける。
これって上司は何も仕事してないも同然なんですけど、意外とそういう輩は多い。


その点黒田さんは、
目標を立てた後に「戦略」「作戦」「戦術」を明確にしてしっかり部下に伝えるわけです。

具体的にどうやって目標を達成するかという細かい行動まで込みで指導する。これは部下は助かりますよ。
やり方教えてくれるから楽だとかそんな安易なものではなくて、こういう方針でやれば評価するっていう指標が明確なんです。


例えば、
とある営業チームが「売上目標1億円」と言って、あとはお前ら頑張れ!というのがイケてない組織だとすると(皆さんの上司って意外とこんな感じじゃないですか?)、
黒田さんは「そのためにはこういう会社を中心に営業活動しよう」とか、「そのために必要なスキルってこうだから、それを伸ばしていきましょう」とか。そんなとこまで部下にレクチャーしてるイメージです。

ただそのやり方がコンプラスレスレなんで、他所からは批判されがち(個人的にもあまり好かない)ですけど、部下からしたら超やりやすい上司だと思うんですよね。



そんでもって黒田さんのやり方には大きな特徴があるんです。それは、掲げた理想に人材を当て嵌める方針だという事。

少し詳しく。


黒田さんて理想像が明確であるがゆえ、選手=駒として見る傾向が強く、目標達成のためにそれが出来る人材を当てはめる思想なんですよ。これ自体は全然悪いことでは無いです。
今流行りの「ジョブ型」ってやつですね。

そう言い切れる理由が2つあります。


言い切る理由①

町田ってシーズン開幕前の保有選手が圧倒的に多かったんですよ。その数なんと41人。カップ戦があるとはいえいくら何でも多すぎる。

ではどうしてこれだけの選手を保有したのか。

つまりこれって、ハマるかどうかは今後見極めるとしてとりあえず駒を集めておこうって思想だと思うんです。

金持ってるチームの成せる業ですけど、確かに効率は良い。勝つための最短距離を求めた究極的なやり方かな、と。


言い切る理由②

僕はこれが黒田さんの特徴を最も示していると思うんですけど、
鹿島の佐野選手、山形の高江選手、横浜のポープなど。町田から出て行った選手もチームを変えてちゃんと活躍してるんですよね。

つまり黒田さんの判断基準って良い選手かどうかじゃなくて、自分の戦術に嵌るかどうかなんですよ。明確に。
だからどんなに良い選手であろうが自分の目標達成に向かないと思えばどんどん放出する。

中には「あーぁ佐野海舟出しちゃって」と批判する人もいると思うんですけど、これって全く的を得ていない。黒田さんからしたら痛くも痒くもないんですよ。



理想像と、それを成し遂げるためのプロセスを圧倒的に明確にする黒田流。それ故、選手選考や選手保有に(ある種ドライ過ぎるほど)迷いがない。

これが町田快進撃の根拠にして、強さの理由。

個人的にはそう読み解きます。皆さんの見解はいかがでしょうか。




■駒は成長する前提、の横内監督の場合

対して横内さん。

選手=目標達成するための駒 と見た時に、この駒自体が成長する前提でチームビルドしているのが横内さんなのかなと感じます。

つまり「駒」にも人格がある。「駒」にも人生がある、と。


これははっきり言って黒田流と比べると効率悪いです。
でもですね、
中長期的なチームの成長を見た時、あるいは選手の自律による爆発的な強化を期待させるにはこちらの方が良いとも感じます。


黒田流には圧倒的なわかりやすさがあって、部下(選手)はやりやすいと感じ、幸福を得ていると思うんですけど、
一方で横内流は、頑張れば報われるといったやりがいを部下(選手)が感じ、幸福感を得ているのではないかと。
そんな風に考察します。


上手くいかない時はモヤモヤーともしますけどね、逆に耐えて信じて結果が出た時の感動はひとしおです。
そしてこれにはもれなく選手個人の”成長”が付属します。その機会を全ての部下に対して等しく設けているのが横さん。これって実は凄いことなんですよね。


僕自身これまで多くの上司と接してきたし、自分自身も上司として振る舞ったりしていますけど、
はっきり言ってここまで待てる上司ってそうそう居ないですよ。

上司も結果求められてますからね。焦るんですよ。普通に。時には誰かのせいにもしたくなる。

でも横さんは違う。選手を信じて、選手の成長こそがチームの力だと信じて、何度裏切られても自分自身にベクトル向けて反省し、忍耐強く任務遂行するんですよ。

そんな上司に出会ったことありますか?


たまーに横さんのやり方に対して「甘い」とか「温い」とか批判する人がいますけど、僕は逆に「恐ろしく強い」と思っていますよ。
そもそも求めてるチームの形と、志向するプロセスが違うんです。


黒田さんは居そうで居ない上司と言いましたが、横さんはそれ以上に類まれな上司です。
個人的にはそう思います。




■まとめ

黒田さんのやり方。横さんのやり方。

僕はその両方も素晴らしいと思うし、なかなか出来る事じゃないと感じてリスペクトしています。


ただですね。
声を大にして言いたいのは、横内監督をボスにして仕事ができるこの環境はとてつもなく恵まれているということ。

特に若い選手には伝わって欲しい。これって普通じゃないんですよ。


僕自身、何年と働いてきた実績から断言します。こんな上司に出会える方が奇跡ですから。本当に恵まれている。

パフォーマンスが振るわなくても、チームの目標に対して貢献できていなくても、決して見捨てない。
それどころか、部下を信じて、モチベーションをコントロールしてチャンスを与えてくれる上司。

居ないですよこんな熱い人。


だからこそ。僕は選手の皆さんには横さんを男にしてあげて欲しい
彼のプロセスは決して即効性はないけど、それでもこのやり方が正しいと証明して欲しい。


心からそう願うんです!!




チームと横さんに幸あれ。報われて欲しい。

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

#サッカーを語ろう

10,983件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?