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【⚽️日本サッカーを愛そう】必見!!土屋さんの蹴球ヒストリアを読んでグッと来た話4選!!

僕は常々 スポーツとはただその勝敗にのみフォーカスするのではなく、その背景込みで見ると断然面白いよねというのを提唱しています。

選手名鑑を見ればその選手が何年の生まれでどこの出身かをまずチェックするし、
キャプテン翼は全国大会をともに戦ったもの同士が同じチームになって世界を打ち負かすワールドユース編が一番ワクワクしたりする。


かつての敵は、今の心強い味方。あるいはその逆も然り。
スポーツとは背景があるから色が付く。色が付くから感動する。


その昔、個サポは悪なのかと題して
”選手個人”をサッカーを見る背景として選んだだけなのであって悪なわけがないと論じたりもした。


つまり、
ひとつの負けで気が立って罵詈雑言が出てしまう人ってのは明らかにチームや選手や、スポーツそのものの取り扱いが浅いのであって、何とも時間を使って勿体ない見方をしているな、と。

そんな風に思ったりもする。


ではどうしたらその背景とやらを得ることが出来るのか。
それはもう思い思いに興味を持ったところから・・・と言いたいところだが、ことフットボールに関してはこの方の知識にどっぷりと頼ってみたらどうだろうかと思う。

土屋雅史さんである

いやもう詳しすぎる。深すぎる。
僕自身2種に本格的に興味を持ったころからその存在が強すぎて神と崇めているわけですけども、そんな土屋さんが本を出した。

蹴球ヒストリア
土屋さんの視点で選手や監督の来歴に迫るという。面白いに決まっている。



■はじめに

こちらの本を拝読して、僕は個人的に4つの視点で感想を述べてみたいと思った。
詳しく内容を書くのもナンセンスなので、登場人物たちの個性や、興味深いつながりで括ってみて、おすすめポイントを記してみたい。

その4つとは

ヴァンフォーレ甲府

ゴールキーパー

小林伸二とハンスオフト

土屋雅史

それではひとつづつ。



■視点① ヴァンフォーレ甲府

今回の本の中で、土屋さんの人選にヴァンフォーレ甲府の選手はいない。
しかしながらこの本は甲府サポさんにこそ読んで欲しいなと、そんな風に思った。

チームは今ACLを戦いながら新しい歴史を刻んでいる真っ最中だけど、そんなチームの歴史が実に多くの人によって創られてきて今があるんだと再認識できる。

これこそが土屋マジックの真骨頂。書籍前半の怒涛のラインナップでそんな裏メッセージすら感じるわけです。


まずみんな大好き吉田謙さんが甲府プロ1号だったという事実!(これは私も知りませんでした)

そして川崎颯太選手が甲府のアカデミー出身であることは有名な話。

ピムの考えを甲府のアカデミーに持ち込んだのは中村順さんだし、

名古屋で活躍する中谷進之介選手は甲府をACLに導いた吉田達磨さんの秘蔵っ子。

そしてそして、広報の鷹野さん(もはや選手じゃない!)が出てきて

〆は甲府をJ1に導いた大木さん
特に大木さんの記事を見ていると昨年の熊本の躍進、それから今年の天皇杯ベスト4が決して偶然ではないと思い知らされて、他サポでも手に汗握るものになってくる。
天皇杯の結果は柏の4-0圧勝でしたが”あの時”を知っている柏サポさんはより一層喜んだのではないでしょうか。

これこそが歴史込みで見るJリーグの面白さですね。
改めて、甲府サポさんは必読です!!



■視点② ゴールキーパー

磐田サポとしては非常に興味深く読ませていただいた三浦龍輝選手の件(くだり)。
その内容はもちろんのこと、実はそのあとに出てくる南雄太選手セットで読むからさらに面白くなった


ゴールキーパーとは色んなスポーツ見渡しても特殊過ぎるポジションであり、そして試合中に何度も交代できるものでもありません。
かつ(ピッチャーが外野を守るように)試合に出られなければ他の位置をやればいいというものでもないわけで。

そんな数奇なポジションと運命的に出会い、プロになった二人。
しかしながらそんな二人のこれまでのサッカー人生は真逆だったという真実。


しかも!

運命が重なり合って静岡にやってきて、静学で選手権優勝した南選手。ジュビロの練習にも参加していたようですが柏でプロデビュー。
その後、挫折も復活も経験して大宮へ。

一方で、信じられないような経緯で柏と契約し、1年での満了からジュビロにやってきた三浦選手。数々の困難を乗り越えて守護神となった2021年。

そんな二人がNACK5で対峙しているんですよね。このスタンドには僕もいたわけで。
この本を先に読んでいればもっと感動値が高かったなと。今思い返してもざわざわとするわけです!

柏と静岡と、ゴールキーパーの不思議な関係


三浦選手の件は個人的にもあれやこれやを思い返してこんなnoteを書いたりしましたが、今回の書籍をもってしっかりと補完されました!



■視点③ 小林伸二とハンスオフト

書籍を拝読して個人的に一番面白かったのは小林伸二さんのところかなーと、読み終えた直後にいろいろ回顧してそう思いました。


小林さんって名将の呼び声高いけど実はあまり詳しく知らなくって、九州のおっちゃんみたいなイメージでしたが、
読んでみたらイメージはそのままで(笑)、さらに僕の故郷でもある静岡との縁も強くて非常に興味深かったですね。

静岡のサッカーファン(エスパルスはもちろんジュビロ側も)は結構読み応えあるんじゃないかと。


まずですね、
小嶺さんとの国見町時代の話。小嶺さんが何度も静岡遠征していて、あぁ当時はものすごく静岡を意識されていたんだな、とちょっと嬉しくなったりしました。
(後のエスパルス監督就任にも大きな影響を与えている!)

それから
いまや育成年代のtop of topである広島アカデミーの基礎を作ったのが小林さん。
(後の監督業に大きな影響を与えている!)

そして
ジュビロサポ的にはやはりハンスオフトとの関係。彼の指導を日本で誰よりも先に受けているのが小林さん。その時後輩にいたのが森保さん横内さん
あとはマツダ時代にアヤックスと試合してファネンブルグとやってるんですね。
もう縁が深すぎる!!

そういえば鈴木啓太さんのyoutubeのなかで俊哉さんがオフトに死ぬほど怒られたと言ってましたがどうやら小林伸二さんも同じだったようで(笑)。

これは我らがSD。昇格請負人と同じということで、期待してしまいます!



インスタグラムより

そして思わず調べました。
なぜケーキの写真があるかは書籍を読んでいただければ笑。



■視点④ 土屋雅史

最後の視点はこの方について。


文章には2種類あります。
それは随筆か、感想文か。

感想文とは、
文字通り感想をしたためた文章なのであって意見を同じくする人からの熱烈な支持を得ることが出来ます。しかし一方でその範囲はとても狭いです。理由は単なる感想文だから。

しかし随筆は違います。
調べ上げた事実をもとにそれをまとめ、括り、並べることで色を付けてその事実を万人に届ける事が出来ます。

この時、自らの意見はなるべくそぎ落とすことが必要なのですが、その分 話し手がどこまでしゃべってくれるのか(素材)というのがとても大事になってきます。

土屋さんはこの素材の調達のプロです。

それは足を使って調べてきたこれまでの経緯だったり、長い間広い知見でサッカー界を見てきた先駆者の特権だったり、そして何より滲み出るサッカー愛が話し手の心を許し、多くを語らせてしまうんだろうな、と。


文字を書く、という点では
僕自身も毎週noteを書いているんですが所詮は自己満足の感想文なのであって、やはり記者さんの書く記事というものは全くの別物でそれ故 ライターと呼ばれる方々の文章と、そこには見えてこない部分(準備など)にとても敬意をもっています。

今回たっぷりの文章を読ませていただいて改めてそのことを実感いたしました。


そして最後に読んだこの一文。

「私は”細菌”や”昆虫”を研究する学者と結婚したと思っている」

今回の書籍の中で一番心に残った(?)奥様の言葉。
土屋さんの蹴球人としてヒストリアをズバッと現した名言です(笑)。

思えばファーブル昆虫記も今回の書籍の様にワクワクしながら読みましたもんね。




この本が多くの方に届き、背景込みでサッカーを見て、より深く日本のサッカーを愛する人が増えますように。


これからもたくさんの記事を楽しみにしています。
ありがとうございました。







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