【ビジネス考察】まじめな若手ほど陥る勘違いとは何か
頑張り屋ほど、悩んでいる場合が多い。どうやら会社とは、そういうところらしい。
夜遅くまで会社に残り、眉間にしわを寄せている優秀な若手を見かけると、僕は2,3の言葉を交わして、決まって掛ける言葉があります。
「君はボルトより速いのかい?」
■なぜ仕事は終わらないのか。
会社にいる優秀な奴は、おおむね真面目です。言われたことをきっちりこなし、その出来栄えも悪くない。
任せておいてもある程度計算できるし、なんだかんだで期待に応えてくれる。
だがそんな彼らも、人知れず悩んでいるときがあります。僕はそんな後輩を見かけると、帰り際決まって声を掛けます。
話を聞く限り、彼らのパフォーマンスに大きな無駄はありません。ゴールの姿に関しても問題なく見えています。
では何が問題か? 純粋に仕事が多いのです。
優秀な奴に仕事は集まります。今も昔も、そういうもんです。ただ、優秀な若手に関しては、これら多すぎる仕事を他に振って、成果を回収するスキルも環境も無いのが実態です。
故に彼らは、自ら何とかしようとして、悩みます。
下手にゴールが鮮明な分、妥協できません。何もわかってない若い奴のほうが、会社生活は得てして幸せなのです。
■できないものは、できない。
そんな彼らの話を一通り聞いて、確かに大きな問題が無いと見極めると、僕は言います。
「できないものは、できない。それでいいんだぜ。」
彼らは、眉をもっとひそめて、そんなこと言われたって。といった表情で返します。
僕は構わず続けます。
「いいか。君は今、100mを5秒で走れと言われている。これって、君が悪いのか?」
続けます。
「これはむしろ、100mを5秒で走れと言ったやつが悪い。だからできなくたって罪悪感なんて無くていい。」
■勘違いしがちな仕事のスタンス
続けます。
「ただ、100mを5秒で走る努力はしろ。」
若手にとっては、100mを5秒で走るなんて言う物理的に不可能な要求に対して、結果が出ずに夜遅くに頭を抱えることは、時間の無駄です。
時間を掛けるべきは、成し遂げようとしする思考の構築と行動。
真面目な若手は100点を取りに行きます。故に結果が出ないことに悩み、立ち止まります。
ここで、結果に対するコミットを外してあげ、結果に対する執着のみを開放すると、優秀な彼らは伸び伸びと動き出します。
幸いなことに仕事はスポーツではありません。もがいていると、自転車に乗っていい場合があるかもしれないし、100mが30mに縮まることもあります。
着眼点を、”できるか?”から”どうやるか?”に変えることで、環境が変わることがあるのです。
真面目な若手ほど、着眼点を勘違いしていることが多いのです。
■できると思うこと。
続けます。
「結果はこの際どうでもいい。ただ、悔しかったら考え続けるべき。そしたらいつか、8秒で走れるかもしれない」
いつだって、不可能なことを可能にするのは、できると思うことです。
ただそれは、物理的に不可能なら、今すぐでなくてもいいはずだと思うのです。優秀な若手に対しては特に。
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