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【週刊ユース分析】本当に強いユース世代はどこだ!?  ①

静岡学園の優勝で幕を閉じた98回目の冬の選手権。好ゲームが多かったですね。我が地元、静岡の決勝視聴率は瞬間最高で46%!お正月の風物詩として箱根駅伝と並ぶ優良コンテンツですよね。高校サッカーって。

いや、でも待てよ。

冬の選手権 = 高校年代No.1を決める大会なのか?

確かにコンテンツとしては未だに根強い人気を持つ冬の選手権ですが、果たしてこれがかつてのように年代のNo.1を決める大会なのかと問われると、少し異なるようです。

理由は明確。Jリーグができたからですね。Jリーグの歴史も20年を超え、確実に歴史を重ねて少しづつですが各クラブの地域密着度も強くなっています。

プロを目指す少年たちは小さいころからクラブユースの門をたたき、実力があればそのままユースに在籍し続けます。つまり、”部活でサッカー”という選択肢だけでは無くなったわけです。

じゃぁ、一番強いチームはどこなのよ?

冬の選手権は、サッカーが上手い高校生がみんなで目指す大会ではなくなってしまいました。では、部活の強豪校とクラブユースの強豪チームが一堂に会して戦う機会は無いのか?それを解決するために生まれたのが高円宮杯 JFA U-18 プレミアリーグです。

リーグの詳細は本家サイトの説明に委ねるとして、簡単に言うと

高校、クラブユース全ての中から選ばれた強いチームを、西日本、東日本にそれぞれ10チームずつ分けて、年間を通してリーグ戦(プレミアリーグ)を戦う。各リーグの年間トップ同士が一発勝負の直接対決を行い、本当に強い高校年代No.1を決める。

というもので、私がこのリーグの好きなところ、というか恐ろしいと思うところは、

各リーグの下位2チームは問答無用の自動降格となり、東北、関東、東海…など各地域に設けられた下部リーグ(プリンスリーグ)を勝ち上がった上位4チームが自動昇格する。

というものです。つまり、1年でチームの主力のほとんどが抜け、3年で一人もチームに残らないというチームビルディングの宿命において、J1やJ2のようなプロリーグ以上に厳しいレギュレーションで戦っているんですね。選手はもちろん、コーチ、スタッフ含めた総合力と、チームの伝統・風土まで込みで、本当に強いチームしか残れない厳しいリーグなのです。

プレミアリーグを知ってほしい!!

正月の風物詩、優良コンテンツである冬の選手権を否定するつもりはありませんが・・・このnoteの最大の目的は、本当に強いチームが見れる、このプレミアリーグを知ってもらいたい!ということです。

この先の日本代表、あるいはひいきのクラブチームの将来を期待したい!という人はやはり日本のプレミアリーグ、つまり高円宮杯をチェックすることは避けて通れないと思うんですよね。

青森山田の黒田監督も、JFAのサイトの中で「プレミアリーグが生活の中心にあります。」と述べています。これはもうあれですよ。プレミアが重要な位置づけであることの、これ以上ない証拠ですよね(笑)。

で、結局どこが強いのよ?

先ほどリーグの説明の中で、各リーグの年間トップ同士が一発勝負の直接対決を行いNo.1を決めると述べました。つまり毎年1位と2位は決まるのですがそれ以外のチームはどうなの?がいまいち見えないのがこのプレミアリーグのモヤッとする所かなーと常々思っていました。

そこで、私はこのプレミアリーグ9年間の歴史を独自採点方式でランク付けし、9年間で一番結果を出したチームとこのリーグの傾向を可視化してみました。

これにより、全高校年代のこれまでから、現在の勢力図が見えてくるわけです!!


で、結局どこが強いのよ?(2回目)

それでは、プレミア9年間のトップ10の発表です。

■まずはトップ5

トップ5

堂々トップは、サンフレッチェ広島F.Cユースでした!この9年間で実に優勝3回、準優勝1回もしているんです。ただ、サッカーファンなら"育成の広島"は常識。超絶妥当な結果だと思いますが、いろいろ見えてくるのはその下。

・青森山田は高体連サッカーの中では断トツ!

・静岡はサッカー王国から堕ちたイメージだがエスパルスが健闘!

・関西のトップはセレッソ!そして京都が強い!


■続いて10位まで

トップ6-10

・関西の3番手は神戸!

・高体連の2番手は東福岡!

・神戸と同じく助っ人の印象強い名古屋もユースは強い!

・鹿島は部活出身のイメージが強いがユースも強いのか!

・千葉でトップは市船でも柏ユースでもなく流経柏!


トップ10まで挙げてみての発見。

・ユースといえばガンバ、川崎のイメージが強いがトップ10にないのか!

・2020年J1に4チームもある神奈川からトップ10は無いのか!

・高体連の強豪は3高しか入らないのか!

などなど。。。


面白いのはここから(笑)

次に、このトップ10の9年間の推移を分析してみたいと思います。面白いのはこのグラフです。高校年代の大きなうねりみたいなものが見えてきます。

■まずはトップ5の推移

トップ5推移2


広島はずっとトップをキープしているのですが、それを青森山田が猛追しているのがわかります。

広島は優勝3回、準優勝1回と述べましたが、近年は断トツ感がなくなってきています。追われる立場としてお尻が見えてきている状態ですね。

また、清水、セレッソがとても安定して上位をキープしているのがわかります。このあたり、確固たる育成のノウハウが両クラブにはあるのかもしれません。

■続いて6~10位の推移

トップ6-10推移

まず、赤いチームが強いですね。グラフ作るのに苦労しました(笑)

関西の雄、ヴィッセル神戸が9年前の下位からめきめき上昇しているのが面白い傾向です。トップチームは資金力にものを言わせてどんどん実力をつけており、一部ではそれを批判されたりもしていますが、それがどうした、育成の面でもしっかりと下地つくりを怠っていません。これは近い将来本当に王国ができるかもしれません。

また、鹿島もここ数年で伸びてきたユースチームと言えるでしょう。トップチームが結果を残しながら下地も着々と・・・まだまだ盤石と言えそうです。

5位の京都、8位の名古屋はトップチームが結果が出ず苦しんでいますがユースはずっと強いです。こちらは逆にユースとトップのちぐはぐさがあるチームと言えてしまうかもしれません。


つまり、プレミア9年間のトップ10とは・・・

 強い広島。猛追する山田。

 安定的に強い清水、セレッソ、京都、名古屋。

 高体連組の飛車角は東福岡、流経大柏の東西赤い悪魔。

 近年急伸する神戸と鹿島。



11位以下から猛追するチームたち。

このグラフから見えないものとして11位以下のチームの動向があります。こちらについては、別noteにて実態及び傾向分析を展開していこうと思います。

ひいきにしているチームの地盤はどうなのか?いろんなものが見えてくると思います。

Jリーグと同じく現在中断中のプレミアリーグ。高校生としてリーグを戦うのは限られた時間ですから、早く再開を望むのと、再開されましたら大いに注目していきたいと思います!



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