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【ブックレビュー】東北在住・アラフォー会社員ライターの「2022年読んで良かった本ベスト3」

※2022年年末に書いてリライトした記事です。

東北在住の会社員ライター すずき・ちえです。
2022年、みなさんはどのような1年でしたか?

私は様々な変化があった1年でした。会社では人事異動で新しい職場へ、ライター活動では、個人ブログを開始したり、新しい媒体で書き始めたり。
充実していたものの、物事に追われてヒイヒイ言っていた時期も。

そんな時に支えとなってくれたのが本です。読書をすることで気分転換ができ、活力が生まれたような気がします。日常を描いたエッセイを読み、作者と共感できて嬉しくなったり、ビジネス書を読むことで悩み解決への糸口が見つかるなど、本を読んで良かったと思えることばかりでした。

そこで、マンガ本含め年間約50冊読んだ中で、特に印象に残っている本のベスト3をご紹介します。

◆『文章で生きる夢をマジメに叶えてみよう。Webライター実践入門』(岸智志 著)

ライター歴14年(発行の2019年時点)のWebライター岸智志さんの著書です。プロフィールによると岸さんは、編集プロダクションでライティング経験を積み、現在は独立し株式会社スタジオライティングハイを創立。代表取締役、ライター、企業の文章力講座の講師などをされているそうです。

私もゆくゆくはライター1本でやっていくことを目指しており、タイトルの「文章で生きる夢をマジメに叶える」方法を知りたくて、手に取りました。

内容は、web記事を書くにあたっての企画、校正、取材、文章術、リライト、心構えまで満遍なく触れられています。具体的に何をすればよいか、気を付けることは何かを示してくれる点が気に入っています。

本を読み、私が実際に取り入れてみたことは「駆け出し時代の過ごし方」。そこに紹介されていた「仕事がなくても、自分のブログを作り、仕事の文章を書くつもりで取り組む」というものです。

この一文に背中を押され、長い間躊躇していた「WordPressで個人ブログを立ち上げ、運営をスタートすることができました。
なかなか仕事に結びつかないことも多いですが、日々できることをやって、チャンスに備えたいと思いました。


◆『私はすべて自分で決める』(チェ・フン著・李明華訳)

前述の本と同様に、出会いのきっかけはタイトルでした。私は決断力がなくて、優柔不断。「決められる人になりたい」と思って悩んでいたところ、ネットでこの本を知りました。

著者は、自称「決められない症候群」。そのことでチャンスを逃したことを機に、決断できる人になるまでにした取り組みがつづられています。

私が最も心に刺さったのは、「決断すべきときが来たら、後悔という言葉を頭から消すこと」というところでした。

私が決断を苦手とする理由は、「後悔しないために考えすぎてしまい、結論が定まらないこと」です。
本書によると、後悔しない生き方をするために「自分を知る時間を作る」こと、「過去の後悔リストを作成しておく」こと、加えて「後悔して当たり前と思い、前を向くマインドを持つ」、「今、自分がコントロールできることに集中する」こととありました。

自分を知っていれば、確信をもって選択ができる。今まで後悔したことを書き出すことで、今からでもできることに気がつく。
そして「後悔して当たり前」と割り切り、自分のコントロールできることに集中する。
前向きで地に足がついた考えで、実践したいと思いました。


◆『虎のたましい 人魚の涙』(くどうれいん著)

 東北在住の作家、くどうれいんさんのエッセイです。日常生活を描いたエッセイが23編、収録されています。
くどうさんの作品は、何気ない物事をとらえるときの解像度の高さにハッとさせられます。

例えば、「雪の道」という作品。大雪の日に都市部にある会社から山あいの自宅まで、車を運転し、たどり着くまでの情景が臨場感たっぷりに描かれています。

「車の鍵を開けて扉に手をかけると、みしっ。となって開かない」「発進すると新雪にタイヤがめり込んで、みみみみみ。と鳴った。」「十メートルも進むとその音がずもももも、になった」

『虎のたましい人魚の涙』より引用


オノマトペが多用された表現で、雪道運転をしている気持ちになりました。
そして、何気ない日常のひとコマが捉え方しだいで、一つの物語になるのだと感じました。文章だけなのに情景が浮かんできて、映像を観ているかのような気分になったのです。

いつも同じことの繰り返し、平坦だと思っていた日常生活も、五感を研ぎ澄ますことで、立体的に見えてくるものなのかもしれません。
私もそんなエッセイを書けるようになりたいと思いました。


これら3冊はいずれも何度か読み返しており、今後も自分のそばに置いておきたい本です。2023年も素敵な本との出会いがあるといいなと思いました。

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