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統合失調症の外国人の彼と私の恋愛:キャンプでの出来事【前半】

ハンガリーで大学へ進学すると、必ず訪れるのがこの新入生歓迎キャンプ。

内容はというと、簡単にいえば
お互いに仲良くなりましょう!というものです。
さまざまなゲームや体験を通して、なかなか濃厚な時間を過ごします。

私が通った学校は農業系で、主に野菜や食べものを使った
セクシュアルなテーマでゲームが展開されました。
二人一組になって、
片方がキュウリにヨーグルトをつけて相手が舐めるリレーだとか、
五人一組になって、
氷を口にふくんでリレーだとか、
すさまじいリレーが繰り返されました。

夜には真っ暗闇の中、
男女とわず新入生はみなを下着以外は脱ぎ捨てて
柵を超えたりしていました。

私は数回のみの参加で、
お題は、<日本語で隣の相手を口説け>
でした。

さて、
例のシーラは一向に参加する様子もなく、傍観のみ。

私が参加するゲームには顔を出してくれましたが、
腕を組んで、ただただ、傍観するのみ。

自由時間になると私の前に突然訪れて、
別の人と話してると割り込んで
話しかけてくれました。

『こんなゲームやっていないでボートを登りにいこう』

と近くの川にあるボート乗り場まで、
2人で行くことにしました。

知り合いの乗り場のおじさんに
『ボート貸して』と言って
慣れない手つきでボートに乗り込む私たち

ゆっくりとした流れに任せてボートを漕ぎながら

『I Like you!』と、言われました。

Loveでなかったので、
『君はいいかんじだね』だと理解した私は、

『Me, too』と答えました。

ボートを乗り終えて、
大学に戻ったらもう夕方。

大学の芝生広場にスクリーンが持ち込まれて
Al Greenの曲が流れていました。
みんな食事を終えて、
お酒も飲んで、
まったりした時間が流れてながら、

ひとり、またひとりと部屋に戻っていきました。

いつの間にかシーラもいなくなっていました。
そもそも彼が寮のどの部屋にいるのかも、
私は知りません。

私はひとりスクリーンを眺めながら
今日あった出来事について、考えていました。

まだまだ彼が何がしたいのか、
私に何を求めてるのか、全然わからない。

こうして、
キャンプは次の日に最終日を迎えることになるのでした。


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