寄付こそ最強のビジネスモデル。
FCバルセロナ(通称バルサ)
今年よりあの「楽天」がメインスポンサーとなり
希代のテクニシャン「イニエスタ」選手が神戸へ移籍したことも
大きな話題となりました。
バルサと言えば
1899年に設立されたスペインの名門サッカークラブで
世界的スーパースター、メッシ擁する世界トップクラスの人気と実力を
兼ね備えた超ビッグクラブのひとつ。
そして以外と知られていないのがその運営方法。
「ソシオ」と呼ばれる会員制の非営利法人が行っていて、驚くことにこの会員数が全世界で16万人もいるという巨大な非営利組織なのです。
サッカーのビッグクラブともなれば広告塔の役割は計り知れず
ユニフォームの胸スポンサーには、とんでもない巨額の資金が動きます。
バルセロナほどの超がつくほどの名門なら一体いくらになるのでしょう。
参考までに
ライバルの「レアルマドリード」のスポンサー契約料は
年間で33億円ともいわれていますので、どえらい金額です。
一方バルセロナは、
なんと、なんと
これまでず~っとユニフォームに企業名を入れないという主義を
貫いていたのです。
ええええええ!
これはクラブ創設後100年以上にわたって続いていた伝統であり、
クラブを支えるソシオにとってはそのことが何よりも誇りだそうです。
そしてついに、その伝統が破られる日が2006年に訪れました。
そうなのです。
あのバルサがついに、胸スポンサーをつけることになったのです。
そんなバルサがユニフォームに初めて入れたロゴは…
あの「ユニセフ」でした。
「ユニセフ?」「広告?」
え?
ユニセフと言えば
国際連合国際児童緊急基金の名で設立された国際連合の機関で
ユニセフが宣伝のためにお金を出すわけがありません。
なんとバルセロナは
広告費を受け取るのではなくバルセロナが児童福祉に寄付するという、
まさに巨大な資本が流れ込むマーケットにおいて
異形ともいえる契約をしたのです。
この契約は2011年まで続きましたが
契約が切れた後もバルサはユニセフに対して、年間約1億9000万円の寄付を行っています。そしてこれを約2億5000万円に増額することも決定し
契約期間は2020年まで合意しています。
寄付で成り立ち寄付で恩返しをする。
現在は冒頭のように「楽天」と巨額のスポンサー契約をしましたが
スポンサービジネスの中にあって寄付で世界のトップに君臨し続けるチームはまさに世界で唯一無二の存在であると言えます。
寄付でもうひとつ有名なものがあります。
ハーバード大学です。
言わずと知れた
世界中から優秀な頭脳が集まる世界最高峰の超エリート校。
実はハーバード大学も寄付で成り立っており
その額なんと年間約1300億円にもなります!
授業料だけではなく収益のかなりの部分を寄付で成り立たせています。
多くの人々から多額の寄付を集め社会のためになる研究を行い社会に還元する。そしてそこに優秀な人材も集まるという好循環。
素晴らしい仕組みづくりが組織運営の基盤になっていることが分かります。
こうした例をみてわかるように
世界の教育、スポーツの両面でトップに君臨する組織が
寄付によって成立していることは驚いたと思います。
寄付とは、日本人が思っている以上に
エキサイティングなものであり、身近なことなのです。
そして寄付とは
何か新しいものを生み出すイノベーションではなく
まさにオールドスタイル
温故知新の仕組みです。
日本人が忘れかけている何かを
寄付が問いただしてくれるかも知れません。
ありがとうございます!お気持ちは寄付させていただきます。