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散歩中に出逢った、とても帰りたくなさそうな犬のはなし

午前中は別件で予定があったので今日のお散歩は午後からにした。
風が涼しい。
少し前までは本当に残暑で毎日今年もしっかり秋が来ないまま冬になるのかと家族団欒での話題はその話で盛り上がっていたけれど、10月に入り心地の良い空気感に変わった。
今日は風が強くて、向かい風が顔に当たると目が乾いてしょぼしょぼした。
子どもは前髪が風でオールバックのようになっていたけれど、気持ち良さそうにまんざらでもなさそうな表情を浮かべていた。風は適度にひんやりとしていた。
10月に入ったけれどまだ金木犀の香りに出逢えていないので、今日は金木犀を探しに駅前の公園まで歩くことにした。駅前近くを歩くと金木犀の香りがして、よく香りを楽しみながら通勤していたことを思い出したからだ。そう思うと産休を含めてもう1年は経っているのだなと、時の流れの早さにただただ驚くばかりだ。
駅前に向かって歩いていると、遠目から知らないおじいさんがよい感じに整えられた毛並みの犬を連れてとぼとぼ歩いている姿が見えた。
小さい声で子どもに「かわいいわんちゃんがいるよ」と教えてあげながら歩き進めてゆくと、その犬がそこに今から帰るであろうおうちにとても帰りたくなさそうな、なんともいえない表情を浮かべていたので、思わず心を奪われてしまった。

飼い主のおじいさんなんか歩くの好きじゃなさそうな雰囲気漂ってたな おじいさんの言葉で残念そうに渋々家に帰る犬🐕 ͗ ͗

犬ってあんな風に帰りたくないとき顔に出すんだな。と思った。テレビで出てくるような犬だけだと思ってた。飼い主のおじいさんはだいぶ腰が曲がっていたしずっとずっと自分よりも歳上に見えたからきっと家を出て30mくらい歩いてすぐ引き返してきたんだろうなぁ…。
いつも朝に散歩しているけど稀に14時とか15時とか、中途半端な時間に外歩くとまた朝とは違う人種の人が歩いていてなかなかおもしろいしいいなと思った。
いつも午前中に予定を詰め込みすぎてしまって午後からは無の時間を過ごすことも多々あるからうまく予定を分散させられるといい。
金木犀は夫と出逢ったコンビニエンスストアの近くの公園にあると思い行ったのだが、どこにも見当たらなかった。金木犀のきの字も見当たらない。私の記憶違いだったのかすでに刈られてしまったのかは謎だが、その公園にあったのはどんぐりの木だけだった。最初は金木犀を見つけられなくて残念だと思っていたが、ブラウンに染まったどんぐりを見れたことで秋を感じられたから今日は良い日だったと思い直すことにした。
どんぐりを人差し指でつんつんすると、子どもも真似してちょん、ちょん、と触れた後、私の顔を見て笑った。

自分の体力作りのためも含んでいるのだけど、子どものことを思って日課にしている散歩が、子どもなりに楽しんでくれているみたいで嬉しい。
気持ちや愛情って言葉にしなくても伝わるんだな。

また明日も一緒におさんぽしようね。

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