【子育てエッセイ】「描くの好きじゃない」と言った息子が唯一描いたもの
「描くの好きじゃない」
保育園の廊下に張り出された絵の中に息子の絵がなかったので、「かいちゃんの作品は?」と聞いたときに返ってきた言葉です。
わたしは、息子の絵が大好きで家の中には息子の作品がたくさん飾ってあります。
息子の絵が大好きだと思っていることが伝わっていないのかと正直ショックでした。
自分の絵に自信が持てない理由を探ってみると、どうやらお友達が上手にひらがなや人の絵、運動会の様子を描くのを見て、すっかり自信をなくしてしまったようなのです。
どれだけわたしや夫、祖父母が息子の絵が好きだと伝えても、息子の心には響きませんでした。
結局最後まで運動会の絵を描いてくれることはありませんでした。
無理強いするのもよくないと思い、絵についてはあれから触れずにいました。
そして、昨日。年度末のため、息子の1年間の作品を持ち帰り、眺めていたときのこと。
こいのぼりやお雛様、サンタさんの靴下など、スタンプや色塗りをしている作品の中に一つ。
息子が描いた絵があったのです。
白い画用紙に決して絵を描かなかった息子が唯一描いたもの。
それは、生後5日の弟でした。
先生が作品の裏にいつ何を描いたのかを書いてくれていました。
絵を描くのが好きじゃない息子が唯一描いた弟の絵。
一生の宝物がまたひとつ増えました。
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