【子育てエッセイ】ちゃんとしなくても、ちゃんと子どもは育っていく
「ちゃんとしたらな子どもが可哀想やで」
しっかり者の母によく言われる言葉。
わたしは、抜け漏れがとにかく多いんです。
頻繁に忘れ物をするし、天気予報のチェックをしてなくて、端境期には服装をよく間違えるし、家の中では探しものばかりしています。
夫からもよく
「子どもが大きくなったら絶対おかーーーーーんって言われるで」
と言われます。
そんなちゃんとしてないわたしだからか、5歳の長男が最近ものすごくしっかりしてきたんです。
先日は、長男の遠足に持って行くお弁当を玄関に忘れてしまいました。
保育園に着いてから気づいて急いで取りに戻って間に合ったのですが、長男が車の中でポツリ。
「かいちゃんが、出る前に確認したらよかったなぁ〜」
人が間違えたり、失敗したときに、その人を責めるのではなく、自分が助けたり、フォローできることはないか考えられることに感動してしまいました。
すべての人が完璧なわけではない。
だから、お互いが協力し合ったり、フォローして生きていけたらとても生きやすい社会になるんじゃないかって思いました。
わたしが働いている会社は、人のミスを指摘して減点方式に評価をしたり、自分の手を煩わせる部下に「なぜできないのか」をとがめたり、困っている人がいても見放したりします。
長男が抱いた、自分にできることはないかな?という視点はどこかに置いて忘れ去ってしまったよう。
でも、もしかしたらそんな人たちもそうやって、思いやりの手を差し伸べられた経験もなく、「ちゃんとしなさい」と言われ続けてきたのかもしれないなと思ったんです。
完璧を求められて、完璧じゃない人を弾き出す。
そんな社会になりつつあるのかもしれません。
完璧じゃないわたしは、子どもに「ちゃんとしなさい」とは言えないから。
できないときは、人に頼っていいことを伝えたい。
親であるわたしも、できないときは協力してほしいって伝えたい。
そうやって、家族という小さな社会の中で、助け合いながら思いやりと優しさを育んでいきたいなと思ったのでした。
完璧じゃない自分を責めるよりも大事なことに気づかせてくれた長男に感謝です。
あなたは、「ちゃんとしなきゃ」って思ってないですか?
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