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月報Okishima Life 2023.5 単独タツベ始動

5月の始まり

怒涛の4月が終わり、沖曳きの道具の片付けも終え、ひと段落。今年は事情があり参加出来ませんでしたが、昨年に引き続き賑やかな春祭りになったようです。
琵琶湖は見る見るうちに5月の色合いに変わっていき、タツベは道具の準備からぼちぼちと始めていきました。

エビタツベ始動

5月早々にタツベに切り替え、琵琶湖に放り込んでもエビがすぐに入るわけでもない(そういう年もあるが)。それと沖曳きで燃焼しきったのを一旦解消するための休養をじっくりしたいのも踏まえ、スロースタート。と、言いつつも、タツベの準備は沖曳きシーズンからボチボチとやってはいたが、まだもう少し残っていたので少し早めに始動。浮き作り、エビを寄せつけるための団子を作る準備など。イチからなので大変ですが、覚えてしまったら何ら問題なし。沖曳きシーズンからの教訓です笑
そうこうしているうちに、エビが岸辺からでも見かけるようになってきました。


タツベ団子作り


これまでの見習い期間でも作り続けてきたエビを寄せ付けるための団子。配合物は基本みな同じですが、割合は個々人のこだわりによって様々。また配合物は配合物でも、取り寄せ先が違ったりするとそのモノ自体が違ってくる。使用する蒸し器で蒸し加減も変わってくるし、それらの調整次第でエビの入り具合も左右されるくらい、ある意味一番芯になる部分。
もう自分の仕事ですから、またイチから自分が納得のいく団子を作れるようになるところからです。
初めはベチャベチャになってしまったり、全くエビを誘うような香りがしなくてたじたじでしたが、3度目くらいから安定してきました。ここからは、よりエビが寄り付くような団子に仕上げていきます。

初回、成型はいい感じだが香りがない…
2回目、蒸したらベチャベチャ
2回目、なんとか手で丸めるものの、水分多すぎ

タツベ積込み

道具の準備はこれで完了ということで、ようやく船に積込み。これもまた手間がかかる作業ですが、1キリ約200個(1セット)ずつ、タツベに団子を入れながら台車に乗せ替え、船に積込み。こうしてようやく沖へと向かいます。

積み上げたのが崩れないようネットでカバー

いざ沖へ、実践と試行錯誤

さっそく放り込み、翌日からタツベを上げに。これまでは3人体制だったのが、これからは1人なのでかなり動きや効率が鈍くなる。タツベは手の数が仕事の早さにほぼ反映されるので、いかに夫婦船の仕事量まで近づけるか。それによって1日に上げられる数が変わる。数やってなんぼの漁法なので、これで漁獲に大きな差が出てくる。
なのでまず、効率よく仕事が回せる配置を考える。なるべくその立ち位置で完結して、かつ、2人分の仕事を難なくこなせる配置。試行錯誤を繰り返した結果、初回に比べ5月末段階で辿り着いた配置がかなり効率的になりました。
4キリを目標時間の4時間で上げきる。これで次のステップ、5キリ目を増やせます!

初回の配置からの景色
5月末時点で辿り着いた配置
タツベのスジエビはかなり大ぶり
テナガエビも入る

タツベ修繕とその理由

エビタツベは沖から戻ったら作業が多い。団子を作るのはもちろん、タツベや浮が破損していたらそれを直したり。他の漁具と同じく、今、新しいタツベを入手しようとしても買い手が少ないので中々に困難。探したら作ってもらえるところもあるかもしれないが、お金はかなりかかるはず。なので、今使っているタツベを修理して、大事に使い続けています。
これも限界は間違いなくくるので、何十年も続けていくのならば、持続可能な方法を模索しなくてはいけないのです。。

今月の湖魚料理たち!

たつべの炊き込みご飯とかき揚げ

タツベにはエビ類以外の魚たちも数種類入ってきます。ゼゼラやハゼ科の魚など。一般的にはあまり目にしないような魚ですが、これらも立派な琵琶湖の幸。美味しくないわけがないっ!ということで、今回は炊き込みご飯とかき揚げに。
湖魚のタンパクな味わいがこの2品にピッタリでした!ごちそうさまです!

合間に沖曳きの準備

タツベスロースタートの合間に出来た隙間時間に、少しずつ来シーズンの沖曳き準備をします。陸に上げた網を広げてみると、気付いてなかった破れが溜まっていたりするので、この際に一気に直してしまいます。
それと、曳いている縄・綱の長さを改めて測ってみると思っていたより短すぎたので、それの長さ調整(計600-700mあると思っていたのが500-600mしかなかった笑、よくこれで魚が獲れてたわってくらい笑)。
他にも今年足りてなかった改善の余地ある天が多数あったので、しっかりと準備していこうと思います。
それにしても、早朝から朝日を浴びながらやる丘作業は気持ちがいい。

今回はここまで

天候が不安定だからか、今年は中々5月らしい景色や気候に出会えない日々。単独タツベにはだいぶ慣れてきたので、さらに効率と精度を上げつつ、あとはエビが出てくるのを待つのみ。
カゲロウもよく見かけられるようになってきたので、そろそろエビも出てくる頃かと。
ここからタツベ本格的に開始です!

では!

時たま現れた5月
時たま現れた5月
カゲロウ

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