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育休復帰した春を思い返す

元々、春は好きだったように思います。
春の花粉症ではない、というのもひとつの要因かもしれないけれど。
人間の本能的なものなのかもしれないけれど。

子どもが2人生まれて、少し田舎のほうに引っ越ししました。
引っ越したのはちょうどお雛祭りの日でした。
少しして、4月になって。
川沿いの桜と黄色い菜の花(西洋からし菜というらしい)が咲き誇りました。春満開。
ここに引っ越してきた意味はもうこれで十分だと思ったほど美しい光景でした。

その春は、2人分の産休育休を終えて4年ぶりに会社に復帰する年で
3人乗りの自転車で春の美しい景色を見ながらも、心の中は大雨状態。
保育園で今生の別れかというほどに「ママがいいー!」と泣き叫ぶ可愛い我が子と離れて、仕事へ向かうことは本当に正しいのか。
授かり、ウニャーと生まれてこれまで離れたことなんてなかったのに、突然何時間も離れる事態に親も子も戸惑うしかない。
でもこのライフスタイルを決めたのは自分なんだなと。

朝バイバイして、夕方お迎えに。
1年間。
私の心の大雨は結局やまず、正社員をやめてフリーランスに転向しました。

人生には時折「もう絶対繰り返したくないけれど、経験する価値はあった。あの時踏ん張ってくれた自分ありがとう」
と思うような出来事があります。
もう絶対戻りたくない戻らない、けれど、おかげで前に進む道が拓けたー
そんな1年でした。

共働きで2人の幼い子供を育てるライフスタイルを、私には魅力あるものにできませんでした。

「今しかないことは何か」
自分に繰り返した問い。
「子どもとの時間」
自分で繰り返した答え。

フリーランスになって初めての春。
心の中に春の景色と同じ美しい光景が広がっています。
大雨があったからこそ一層かがやいて見える春の光。
次はどんな夏がくるか、たのしみです。



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