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羊肉第三次ブーム2020年


令和まで続く、3期にわけた羊肉の盛り上がり
羊肉を第一次ブーム、第二次ブーム、第三次ブームと分けて話すのは、「羊の第二次ブームは……」と考えさせられますが、
あくまで主観的な要約として見て頂ければと思います。


【第一次ブーム】 北海道からジンギスカン認知拡大


昭和37年の羊肉の輸入自由化で安価な冷凍肉が日本に輸入されます。
この時期、北海道に検疫所があった関係と、もともと羊肉を食べる習慣が地元にあったので、羊肉は主に北海道へ送られていました。この当時、畜肉の中では羊肉が最も安かったのです。そして、かの有名なサッポロビール園が時を同じくしてオープン(昭和41年)。生ビール飲み放題・ジンギスカン食べ放題で1000円。まだまだ食肉の価値が高かったこの時期に、この価格は衝撃的だったでしょう。そして、この時期は空前の北海道観光ブーム。多くの日本人が北海道でジンギスカンを食べ「北海道名物にジンギスカンがある」と認知が広まり、羊肉を食べなかった日本人の間に、ジンギスカンという羊料理の名前が広く広がったのです。認知の拡大ですので終焉などはありません。あくまで、ブームという俗っぽい分類で分けているだけです。


狂牛病について(東京新聞より)

【第二次ブーム】 企業主導のジンギスカンブーム

こちらはわかりやすいブームで、大体2004年ぐらいからスタートしました。

BSE(狂牛病)問題でBSE発生国の牛肉の輸入

が止まり、全国の焼肉店が大パニックになりました。七輪やコンロ、焼き台はあるのに提供していた牛肉が手に入らない!そこで注目されたのが焼肉とオペレーションが同じジンギスカンです。そこで全国の焼肉店が一気にジンギスカン店に看板を変え、またその流れにあやかろうと多くの企業がジンギスカン店をオープンさせました。この時の羊肉は、牛肉の代替肉として人身御供よろしく期せずしていきなり注目されました。
つまり外食業界が意図的に世間に羊肉を注目させた企業主導のブームです。この頃は羊肉といってもあまりイメージがつきにくかったので、羊肉ではなく「ジンギスカンブーム」として広がっていきました。毎日メディアでジンギスカンが取り上げられ、店舗数も激増しました。

しかし、牛肉の輸入が再開し羊肉をPRする理由がなくなった途端、一気に熱も冷め激増したジンギスカンのお店も軒並みクローズしていきました。
このブームは流行っているからと適当な羊肉料理を出し、羊嫌いを量産してしまった側面もありますが、ブーム前と比べてジンギスカン店が終了後も一定数を維持し、マイナーな料理だったジンギスカンを聞いたことがあるものにした功績は大きいと思います。
このときオープンし未だに営業している名店も結構あります。
また、このとき話題となった「Lカルニチンで太らない!」的な切り口も
古くて煙もくもくというおじさんの食べ物だったジンギスカンを女性まで広めた機会でした。

第2次ブームから20年後に羊肉第3次ブームが自然的に起きる



【第三次ブーム】 需要が興す供給底上げ型羊肉ブーム


ジンギスカンだけではなく、網焼きなど羊の食べ方も多様化。

これは現代まで続いている流れで、非常に面白いと思うブームです。
だいたい2014年の未年からスタートし2020年の頭にかけて大きく発展しましたが、新型コロナウイルス感染症予防の活動自粛により足踏みをしているという状況です。
まず、基本ラム肉業界では積極的にメディア戦略を打っている大手企業はありません。今回「第三次」と呼ばれているブームは

「企業→広告代理店→メディア→消費者」

の流れが成立していません。お店やイベントのPRなどはたまにあるようですが、全体として予算を投下しているところは知る限り無いので、自然に消費者の中から発生したブームであるといえます。
いつくかポイントを上げると、

  • 企業主導ではなく、消費者が羊肉に慣れて羊肉を食べるようになったことからはじまった。(ジビエ、熟成肉、赤肉ブームなどで日本人の食肉の選択肢が広がったともいえる)

  • スーパーで羊肉の取り扱いの増加。

  • グローバル化による様々な国の料理が食べられるようになった。

  • 臭い硬い安いというイメージを持たない層の成人化。(平成世代)

  • チルドラムの普及。(※チルドラム=1回も冷凍されず2週間の熟成羊肉)

  • 輸入国の増加。(フランス、ウェールズなど)

  • 羊の扱いに慣れたシェフの増加。


海外では当たり前のように羊肉に触れられています。


輸入解禁になった各国がこの流れを見て日本へ羊肉をさらに売り込み始める。メディアがそれを取り上げる。それを見て消費者やお店が益々興味を持つ……という流れが同時多発的に起き、一言で「これが原因」とはいいにくい、PRしたから広まった的なことではない、認知が上がりじわりと広まった一連の流れを、わかりやすく「ブーム」とつけているだけだともいえます。今までの長い間、業界の各場所で羊愛(本当に、羊業界は愛が深い人が多い)を語る人たちの努力がここに来て一気に花開いた形です。それは羊肉の消費量のグラフを見ていただいても明らかです。

羊肉はたった400gしか消費されていない




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