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HOTEL CLASKA FINALEへ。 2020.10.18

小さな家具屋さんが軒を並べる目黒通りのてっぺんに、クラスカはあります。
2003年にそれまでのホテル「ニュー目黒」をリノベーションして生まれたデザインホテルの草分け的存在。

とってもクリエイティブな発想で生まれたモダンな空間や機能は、当時のぼくにとって刺激的な存在でありました。
というか、今でも、気になる存在であり続けています。現在進行形。

そんなクラスカが今年12月20日をもって閉館。
建物の老朽化は、リノベーションホテルをリノベーションし続ける限界を超えてしまったということでしょうか。
なんのお役にも立てないけど、残念です。

そのクラスカに、10月18日にチェックイン。
斜め前には郵便局、前には東急バスの営業所。
すでにレストランは営業を終了し、静かな夜を迎えています。
あらためてデザインのひとつひとつを確認しながら、ホテルをゆらゆらと徘徊し、写真の記録と脳みその記憶に焼き付けました。

チェックインした時にホテルのフロント係の方と交わした会話。
「朝は早起きな方ですか?」
「はい、早起きです。とっても。」
「でしたら、陽がのぼる時間に屋上に行ってみてください。」
「素敵なんですか?」
「東京タワーと富士山が両方とも観えて、すごくいい景色なんです。」
「そうなんですね。」
「ぼくは朝一番の屋上が一番好きなんですよ。」
「ぜひ、行ってみます。」

朝、5:48。
屋上で景色を撮影していると、フロント係の方が上がってきました。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
「いいでしょ。」
「いいですね。」
ことば少な、ほんの少しだけ朝の時間を二人で過ごしました。

朝食タイム。
ぼくたちは一番乗りでしたが、次々にお客様が来店。
多くの方たちに愛されていたホテルが、ひとつ役割を終えていきます。

新しいスニーカーを買った時に、今まで履いていたスニーカーと並べてみると、めっきり疲れたスニーカーがそこにあるように。
よくよくホテルの周りをみると、やはり老朽化の波を乗り切れなかった様子もわかります。

ぼくたちのモダン先生。
お疲れ様でした。

そんな気持ちでお別れしました。
では、また。

サポート、ありがとうございます! 撮影してきて欲しい場所などあればリクエストください。 飛んでいけるところなら、できるかぎり飛んでいきます♪