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土井先生のせいにしよう

朝食はもっぱらパン派だ。

白米があまり好きではないので、出来れば主食にはパンや麺類、もしくはマッシュポテトなどを食していたい。白米は、例えば納豆とか回鍋肉とか、ご飯がベストマッチだと思われるおかずを食べる手段に過ぎない。そう思っている節すらある。
でもお寿司は大好きなのでこの主張はちょっと弱い。米、普通に好きじゃん、とも思う。ちなみにお寿司ではえんがわが一番好き。

パンのお供はピーナッツバター。カロリー高いし身体にも悪そうだけど止められない。更にその上にジャムを乗せて罪悪感の塊を生み出すこともある。バナナを乗せる贅沢バージョンもありだ。時々は蜂蜜や黒豆きな粉クリームや、さくらんぼジャムや練乳とかに変えて変化を楽しむ。目玉焼きやベーコンの気分の日だってある。

パン屋さんの菓子パンや調理パンも捨てがたい。
パン・オ・ショコラは最後から3回前の晩餐に選びたいし、塩パンの裏側からじわっと滲み出るバターはテキーラショットグラスで飲みたい。
硬いベーグルに挟まれた胡椒の効いたパストラミとピクルスは、クリームチーズと一生親友でいて欲しい。

とにかく朝にはパンを食べる。
そうやってスイッチを入れてきた。
コーヒーと焼きたてのパン。何よりも幸せ。

そんなわたしに、ここ2、3日変化が現れ始めた。

「朝から味噌汁が飲みたい。」

嘘だろう?このわたしがパンを裏切るのか?
朝一の口には、甘ったるく広がる濃厚な味わいを、鼻には、カリッと焼いた香ばしいパンの香りをお届けして来ただろう?何故だ、わたしの心よ、何故なんだ。

歳を取ったのかもしれない。
目が覚めた瞬間から優しさを求めている。
温かく沁み渡るものを、この自堕落な身体にとって良いものを、欲している。
または土井先生のツイートを日常的に目にしていたサブリミナル効果が今頃現れたのかもしれない。可能性はある。

朝からまな板と包丁を出す。わたしにとっては久しぶりの光景だ。
丁寧に出汁を取ったりはしないが、冷蔵庫にあるありったけの野菜を刻み、顆粒だしを入れ、味噌を溶かし、お椀に装う。
玄米ご飯と梅干しも一緒にリビングに運ぶ。

味噌汁をひとくち飲むと、お腹の底から、ほぉっと安堵のため息みたいな声が出た。

ただこれだけのことで、身体が驚くほど喜んでいる。明日もきっと欲しくなる。そんな確信めいたものを感じた。

まだまだこれからもパンとは良いお付き合いを続けていきたい。精製された白いもの(小麦粉や白砂糖等)は体に悪いとか太るとかネガティブな情報も聞くことはあるけど、これまでずっと良好な関係を保ってきたはずだ。

ただ、これからは違うものとの関係も築いていく必要がありそうだ。朝のパートナーを、時々は変えていくかもしれない。

味噌汁さん、朝の顔としてはわたしは新参者ですが、これからよろしくお願いします。
明日の具材は、ぶなしめじと豆腐で考えておりますが、いかがでしょうか。

#日記 #エッセイ #毎日note #日常 #朝食 #味噌汁

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